財閥の子息と庶民の娘がなぜか出逢ってしまい(またはその逆)、最初はウマが合わなさそうにしているが、そのうち恋に落ちて、財閥の親の猛反対にあいながらも恋を成就させるといったような内容が多い。
このように、財閥は韓国では一種の憧れの存在でもあるので、財閥を騙って詐欺をする人間も多い。その度によく耳にするのが、「パラダイスカジノ」や「パラダイスホテル」を率いるパラダイスグループの名前だ。
パラダイスグループの創業者は田楽園という人物で、自らの名前である「楽園」を英語に置き換えて会社名にした。もともとはホテルの支配人から始め、1973年に韓国観光公社からカジノを買収し、カジノビジネスに進出した。
ソウルだけでなく、釜山、済州、仁川、アフリカのケニアまでパラダイスホテルを開業し、釜山と済州、仁川にもカジノをオープンしたことで、「韓国カジノ界のゴッドファーザー」とも呼ばれている。
韓国のカジノは外国人専用だったため、貧しい国にとっては外貨獲得に多大な貢献をしたとも言われている。いまでも韓国のほとんどのカジノは外国人専用で、江原道にある「江原ランド」だけが韓国人でも入場できるカジノだ。
韓国の外国人専用のカジノは許可制であるため勝手につくることはできないが、このように手広くカジノ事業を展開しているパラダイスグループには、現金がたくさんあるというイメージがある。
しかし、マスコミにはほとんど露出しないため、現金の流動性が多いという印象があるだけで、その創業者一族についてはほとんど知られていない。そのため、よく詐欺に利用されるのだ。「田(チョン)」という珍しい名字のせいもあり、この名前を騙り、パラダイスグループの会長の隠し子だと詐称したりする。
以前、韓国の中堅俳優の結婚相手がパラダイスの家系だと偽って結婚しようとしたが、それが発覚して破談になった。また芸術家として有名だった女性が楽園氏の隠し子だと偽っていた男性と結婚し、多くの借金を負わされたり、DVにあったりして離婚したこともあった。