韓国の若者たちの間でもてはやされる「MBTI」性格診断とカップル論争

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最近、韓国で40代以下の人たちが最初に出会ったときによく交わされる言葉に「MBTI」というものがある。「あなたのMBTIは?」と聞かれて、なんと答えていいかわからなければ、40代より上の旧世代と言われている。
 
「MBTI(Myers-Briggs Type Indicar)」とは、簡単にいえば「性格診断」である。最近できたものではなく、スイスの心理学者カール・グスタフ・ユングが1921年に出版した『心理学的類型』という本に基づいて、1962年にアメリカ人のキャサリン・クック・ブリックスと娘のイザベル・ブリッグス・マイヤーズが考案した自己申告型のアンケートだ。

ひと昔前は血液型や星座で性格判断をしていたが、MBTIはそれよりはもう少し合理的な判断ができる感じである。とはいえ、同じ人でもその日の気分などで質問に対する答えも変わってくるので、常に同じMBTIにならないというのも、ある意味では正確な性格判断だとも言える。

16通りの性格と職業を示すMBTI 

最近の韓国の若者たちは、あらかじめネットなどに投稿されている質問票に基づいて性格診断をして、自分のMBTIを知っている。そして、人に会ったとき、互いのMBTIを聞いて、自分と性格が合うかどうかを判断する材料にしている。

なので「あなたのMBTIは何か?」と聞かれれば、「ISTJです」とか「ENTPだ」というふうにすぐに答えられる。

MBTIでは、4の2乗の16通りの性格があり、それぞれ特徴的な職業が提示されている。4の2乗というのは、4通りにそれぞれ2通りの性格が示されるからだ。

最初はEとIに分かれ、Eは外向的で、Iは内向的。次はSとIに分かれており、Sは現実主義で、Iは理想主義。その次はTとFに分かれ、Tは合理的で、Fは人情的。最後にJとPに分かれ、Jは几帳面で、Pは臨機応変的となる。

こうして、それぞれを分岐点でたどりながら性格判断をするわけだが、その結果でどんな職業が向いているのかも示される。

たとえば向いている職業なら、まず、最初がEなら、ESTJとたどれば、厳格な管理者(経営者)。ESTPは冒険を楽しむ事業家、ESFPは自由な魂のエンターテイナー、ENFPは才気あふれる活動家、ENTPは論争を楽しむ弁論家、ESFJは社交的な外交官、ENFJは正義の味方の社会活動家、ENTJは大胆な統率者となる。

性格に関しては、最初がIならば、ISTJとなれば原理原則を守る現実主義者、ISFJは勇敢な守護者、ISTPは万能の巨匠、ISFPは好奇心の多い芸術家、INTJは用意周到な戦略家、INTPは論理的な思索家、INFPは情熱的な仲裁者、INFJは善意の擁護者などと示されている。

若者たちがMBTIを話題にするときには、「ENTP」の場合は「エンティピ」、「ISTJ」は「イットティジェイ」というように略して話すので、知らない人間が聞くと、何かの別の単語かと誤解してしまう。

ちなみに筆者は、MBTI診断では「ENTP」が多く出るので、論争を楽しむ弁論家ということになるが、自分ではそんな風に思ったことはない。

MBTIは、すでに韓国の若者文化の1つとなっており、少しカジュアルなミーティングや合コンなどのアイスブレイクには、必ずといっていいほど使われている。
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文=アン・ヨンヒ

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