ネットの流行語となった詐欺師の言葉
とにかく今回の詐欺騒動に関しては毎日のように新しい事実が判明するなか、思わぬ動きも広がっている。それは、チョン・チョンジョが人を騙すために使った言葉が、ネット上でミーム(meme:ネットの流行語)として拡散しているのだ。チョン・チョンジョは、アメリカ育ちだと主張していたため、たどたどしい韓国語を使っていた。同じタワマンに住んでいたユーチューバーがチョン・チョンジョと交わしたモバイルメッセンジャーでも、「OK、じゃ、Next Time」とか「I am 信頼です」などと、簡単な英語を混ぜて使っていたという。
そこで、ネットではこの「 I am 信頼です」をパロディした「 I am 何々」などというミームが流行っており、これに目をつけた企業もトレンドとしてマーケティング・コピーに活用している。「 I am ダブル割引です」とか「I am 特価です。Next Timeはありません」などというふうにだ。
YouTubeでもサムネイルに「I am 信頼です」などが盛んに使われており、いくら一時的な流行語だとしても、もとは詐欺師の口癖なので、それを真似ることを心配する人たちもいる。
また、このように世間を賑わすホットな言葉に、承認欲求の強い韓国の「玉ねぎ男」こと韓国政府の法務部長官であった曺国(チョ・グク)氏が飛びついた。チョ・グク氏は、入試不正などの容疑で起訴され、現在控訴審中であるが、自身のSNSに「 I am 信頼。 I am 公正。 I am 常識。 I am 法治。 I am 正義」と投稿した。
これを見たネット民は、「自らを反省するために投稿したのか」「誰が公正と言えるのか」「チョ・グクが公正なら、チョン・チョンジョは無罪」などの書き込みが続いた。
しかし、前述のチョ・グク氏の投稿にある「公正」「法治」などは、尹錫悦大統領の演説やインタビューで良く使われていた言葉で、もしかすると大統領批判として投稿されているのかもしれない。
ちなみに、チョ・グク氏が入試不正で大学の医学部に入学させた彼の娘は、入学を取り消されたが、現在、35万フォロワーがいるユーチューバーとして活躍している。