「歴史的証拠を評価した結果によると、最近起きている動物由来感染症のスピルオーバーをきっかけとする一連の流行病は、変異でもランダムな集団に起きたものでもなく、スピルオーバー由来の流行病がより大規模かつ頻繁になった、ここ数十年間の傾向と一致している」と著者らは論文に書いている。
研究チームはさらに、自分たちの見積もりは「控えめ」であり、それは「他の事象より桁違いに規模の大きい」新型コロナウイルス感染症を含めていないためだと説明した。世界保健機関は、新型コロナウイルスはコウモリから人間に感染した「可能性が高い」と主張しているが、この考えに異論を唱える科学者もいる。
この研究の著者らは、人間活動による気候変動は動物由来感染症の増加を引き起こすと予想されるが、全世界の健康に対する影響の「評価は困難」だと指摘する。そして、世界的流行への備えを支援するために考案できるような「根本的対策」はわかっていない、と付け加えた。
「しかし、歴史的傾向から見てはっきりしていることがある」と著者らは警告する。「それは、全世界の健康に対するリスクの増大に対処するために、緊急な行動が必要であることだ」。
出典:
Amanda Jean Meadows, Nicole Stephenson, Nita K. Madhav, and Ben Oppenheim (2023). Historical trends demonstrate a pattern of increasingly frequent and severe spillover events of high-consequence zoonotic viruses, BMJ Global Health 8:e012026 | doi:10.1136/bmjgh-2023-012026
(forbes.com 原文)