働き方

2023.11.18 14:30

地域でいま輝く若手の人材像は? 地域活性化のキーパーソン7人が語る

Forbes JAPAN編集部

「関わりしろでファンづくり」で新たな移住者層誕生

中島みき|面白法人カヤック 執行役員 兼ちいき資本主義事業部 事業部長
なかじま・みき◎大阪市生まれ。オーバーチュアなどを経て、2008年よりヤフーに入社しPayPayの立ち上げに参画。2019年7月カヤックLiving 代表取締役。現在、「SMOUT」やコミュニティ通貨「まちのコイン」などを運営。政府の委員会の委員などを務める。

なかじま・みき◎大阪市生まれ。オーバーチュアなどを経て、2008年よりヤフーに入社しPayPayの立ち上げに参画。2019年7月カヤックLiving 代表取締役。現在、「SMOUT」やコミュニティ通貨「まちのコイン」などを運営。政府の委員会の委員などを務める。

面白法人カヤックの経営理念のひとつ、「つくる人を増やす」。それを地域活性化の文脈に当てはめて、2018年4月に始めたのが移住・関係人口のためのマッチングサービス「SMOUT(スマウト)」です。当時、地方創生で有名な地域や地域での起業家が注目され、総務省の地域おこし協力隊も、協力隊員として入った後は起業を目指すということが主流でした。しかし、日本人の多くは、会社員や組織の一員として過ごしてきて、起業に対して距離が遠い人が多い。地域に関わる人や移住者を増やすためには、そういう層をどう動かすか、が重要になっています。
 
そこで、SMOUTは、地域に来てほしい人側からの一方通行のメッセージ発信ではなくて、都市部生活者と地域のとの間に共感や、関わりしろをつくることで、その地域に関わる人口のプール、ファン層をつくるということをやってきました。今では約900の自治体が利用しています。
 
コロナの前は、フリーランサーや個人事業主といった方が比較的多かったのが、コロナを経て一般の会社員や子どもをもつ家族の方のユーザーが増えてきました。前者は比較的自分の得意なことやできることが明確ですが、後者はわからない人が多い。移住コーチングや地域でのワーケーションをうまく使いながらマッチングして、少しずつ距離を近づけることがさらに大切になっています。

実例6
どこでもサウナ by 谷山嘉奈美(ジビエ料理家、元保健師)

名古屋で保健師として働いていたが、北海道下川町へ、移住。自作の軽トラサウナで健康な地域の仕組みづくりを目指す。ジビエ料理提供やサウナで使う白樺のヴィヒタも販売。

関わりしろを生かせる人材

地域のニーズと自分のスキルややりたいことが最初からマッチしていないケースは少なくありません。でも、そこで生まれたつながりや関わりしろを育てて、自分のやりたいことを実現できる人がいます。地域の課題を解決するという意識よりも、自分の軸、興味や楽しいことをやっている人が多い印象です。地域側も、移住者を受け入れるのがうまい地域は、そういった移住者の興味関心や少し変わった魅力を引き出すことがうまい地域でもあります。
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文=フォーブス ジャパン編集部

この記事は 「Forbes JAPAN 2023年11月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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