「関わりしろでファンづくり」で新たな移住者層誕生
中島みき|面白法人カヤック 執行役員 兼ちいき資本主義事業部 事業部長面白法人カヤックの経営理念のひとつ、「つくる人を増やす」。それを地域活性化の文脈に当てはめて、2018年4月に始めたのが移住・関係人口のためのマッチングサービス「SMOUT(スマウト)」です。当時、地方創生で有名な地域や地域での起業家が注目され、総務省の地域おこし協力隊も、協力隊員として入った後は起業を目指すということが主流でした。しかし、日本人の多くは、会社員や組織の一員として過ごしてきて、起業に対して距離が遠い人が多い。地域に関わる人や移住者を増やすためには、そういう層をどう動かすか、が重要になっています。
そこで、SMOUTは、地域に来てほしい人側からの一方通行のメッセージ発信ではなくて、都市部生活者と地域のとの間に共感や、関わりしろをつくることで、その地域に関わる人口のプール、ファン層をつくるということをやってきました。今では約900の自治体が利用しています。
コロナの前は、フリーランサーや個人事業主といった方が比較的多かったのが、コロナを経て一般の会社員や子どもをもつ家族の方のユーザーが増えてきました。前者は比較的自分の得意なことやできることが明確ですが、後者はわからない人が多い。移住コーチングや地域でのワーケーションをうまく使いながらマッチングして、少しずつ距離を近づけることがさらに大切になっています。
実例6
どこでもサウナ by 谷山嘉奈美(ジビエ料理家、元保健師)
名古屋で保健師として働いていたが、北海道下川町へ、移住。自作の軽トラサウナで健康な地域の仕組みづくりを目指す。ジビエ料理提供やサウナで使う白樺のヴィヒタも販売。