働き方

2023.11.18 14:30

地域でいま輝く若手の人材像は? 地域活性化のキーパーソン7人が語る

イラストレーション=ブラチスラフ・ミレンコビチ

スーパースターよりも「みんなが主役」の世界に

齋藤潤一|こゆ地域づくり推進機構 代表理事
さいとう・じゅんいち◎1979年、大阪府生まれ。2011年の東日本大震災を機に、全国10以上の地方創生プロジェクトに携わる。17年、宮崎県新富町の地域商社「こゆ財団」の代表理事就任。19年収穫ロボット開発のAGRIST創業、代表取締役CEO就任。

さいとう・じゅんいち◎1979年、大阪府生まれ。2011年の東日本大震災を機に、全国10以上の地方創生プロジェクトに携わる。17年、宮崎県新富町の地域商社「こゆ財団」の代表理事就任。19年収穫ロボット開発のAGRIST創業、代表取締役CEO就任。

今、地域の課題解決に取り組んでいる人たちはかなり細分化されてきています。中央集権的な課題解決から分散型に変化し、まさに、Web3.0のDAO(分散型自律組織)の世界観のように全国各地で多様な課題解決に取り組む人々が現れています。扱う課題も、いわゆる大きな課題よりも、細分化された社会課題がメインになり、テクノロジーをうまく活用しながらみんなが自律して取り組んでいる印象です。
 
サッカーでいえば、ひとりで何役もこなすスーパースター選手よりも、みんなが主役のチームサッカーの世界です。それぞれがやるべき役割をもち、社会を動かす。
 
同時に世界に直接つながっているのも特徴です。私がCEOを務めるAGRISTでも、オランダやスペイン、中東諸国など、海外からの問い合わせが増えています。地域よりも、細分化された課題やニーズの課題解決を共通項として、中央を通さずに人やモノ、情報をシェアしてつながっていくことが可能になりました。
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地域はこれから良くなる、ではなくて、今が最高だという視点もありうるのではないでしょうか。便利でおいしいご飯も風景もある。都市と地方の二項対立で、東京が上で地方は下、だから改善しないといけないという意識は古い。どこでも自分のやりたいことができて、海外とも戦える。そんな意識で、楽しむ姿勢がいいと思います。

実例2
Health Table by 土岡由季(Health Table代表)

中学2年生で1型糖尿病を発症した土岡。製薬会社で糖尿病の新薬開発などに従事し、新潟県にて料理教室Health Tableを開業。血糖マネジメントの観点で、レシピ開発などを実施。

ノーボーダーな人材

分断をなくすノーボーダーな人材。地方も都市も海外も、いる場所は関係ありません。社会的な属性や性別といった、分断や固定観念、思い込みはコロナで崩れ去り、さまざまなボーダーを軽々と乗り越えて、活躍している人が増えました。東京で働いていた人が地方の山奥で働くようになったというのも、決して特殊な経歴ではない。気負った感じもなく、楽しいやワクワク感をファーストにした結果、ノーボーダーで活躍できている人が増えました。
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文=フォーブス ジャパン編集部

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