働き方

2023.11.18 14:30

地域でいま輝く若手の人材像は? 地域活性化のキーパーソン7人が語る

イラストレーション=ブラチスラフ・ミレンコビチ

関係人口の「多様で、新たな作りかた」創造

佐別当隆志|ADDress
さべっとう・たかし◎2000年、ガイアックスに入社。16年、シェアリングエコノミー協会を設立。 17年、内閣官房IT総合戦略室よりシェアリングエコノミー伝道師を拝命。18年、多拠点生活サービスのプラットフォームを展開するアドレスを設立。

さべっとう・たかし◎2000年、ガイアックスに入社。16年、シェアリングエコノミー協会を設立。17年、内閣官房IT総合戦略室よりシェアリングエコノミー伝道師を拝命。18年、多拠点生活サービスのプラットフォームを展開するアドレスを設立。

全国どこでも住める多拠点居住サービス「ADDress」を2019年4月にスタートさせました。「月額定額で全国住み放題」で大きな反響がありましたが、新型コロナでそもそもの移動が困難になりました。一部の物件は利用停止し、利用を自粛するユーザーの動きも出てきて、事業の継続が危ぶまれる状況にまでなりました。さらに、資金調達が必要な時期も重なり、オンラインだけで億単位の資金調達をする必要がありました。
 
最終的に支援してくれる投資家が見つかりましたが、コロナもいつまでも続く問題ではないことや、日本各地で起きている空き家の問題を解決するという事業の社会的意義が評価されたと感じています。さらに、緊急事態宣言が解けた段階でワーケーションがはやり出し、サービスが急激に伸び始めました。会員数も19年の開始当時に比べて、約15倍に成長しています。
 
サービスの利用の仕方も変わってきました。月に数日だけ利用するライトな新料金プランをつくり、新しい層のユーザーも増えています。
 
これまで山登りや釣りなど近郊のレジャーで日帰りしていた人たちが、地元で物件を管理してくれている「家守」さんと交流して泊まっていくケースや、週末に家族連れで利用してくれる人も増えました。いろんなかたちの関係人口づくりができていると感じます。
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実例5
白馬村の「村ガチャ」by 西出裕貴(多拠点生活中の会社員)

ADDressを利用する多拠点生活者。HELP YOUを運営するニットで社員をしつつ、複業で全国各地の地域活性に取り組む。カプセルトイで観光客と村人をつなぐ「村ガチャ」が話題に。

暮らしも仕事も分散型の人材

ADDressの最終的なビジョンは、分散型社会をつくっていくことです。都会だけで暮らすとか、地方だけで暮らすのではなくて、分散して暮らすライフスタイルが浸透してほしい。空き家の問題も、複数の場所で暮らす人が増えれば有効活用できるし、移住ではなくても地域との関わりを増やすことでその人のウェルビーイングやリスクヘッジにもなる。専門的なスキルと高いコミュニケーション力を持っていれば、どこにいても活躍できるでしょう。
次ページ > 「関わりしろでファンづくり」で新たな移住者層誕生

文=フォーブス ジャパン編集部

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