働き方

2023.11.18 14:30

地域でいま輝く若手の人材像は? 地域活性化のキーパーソン7人が語る

イラストレーション=ブラチスラフ・ミレンコビチ

「自分の価値観」の見つめ直しが好循環を生む

坊垣佳奈|マクアケ 共同創業者/取締役
ぼうがき・かな◎同志社大学卒業後、サイバーエージェント入社、子会社3社の創業や経営参画を経て、2013年にマクアケの立ち上げに共同創業者/取締役として参画。組織づくりや応援購入サービス「Makuake」の事業拡大に従事し、地方創生にも尽力。

ぼうがき・かな◎同志社大学卒業後、サイバーエージェント入社、子会社3社の創業や経営参画を経て、2013年にマクアケの立ち上げに共同創業者/取締役として参画。組織づくりや応援購入サービス「Makuake」の事業拡大に従事し、地方創生にも尽力。

コロナ禍をきっかけに、応援消費という言葉がよく使われるようになりましたが、Makuakeは2019年の上場時から「応援購入」という言葉を使っていました。応援購入は、モノのもっている機能性や表面的な価値だけでなく、その背景にある「誰がどういうふうに、どういう思いでつくっているのか」ということも価値としてとらえ、購入することです。
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日本には、気候風土に根付いた豊かな文化があり、職人らのこだわりが詰まった地域の産業があります。ただし、大量生産・大量消費の時代には、そういった日本の良さを残すことは難しいものでした。また、消費者はつくり手の情報や思いを知ったうえで商品を選べませんでした。しかし、時代は変わりつつあります。
 
震災やコロナで、人々のライフスタイルや価値観は大きな影響を受けました。経済も不安定ななかで、「自分の限られたお金をどこに使い、どういうライフスタイルを目指すのか」という、自分の本質的な価値観を見つめ直す機会にもなりました。それは、私たちが目指していた「応援購入」の感覚に近いものです。
 
つくり手の思いをMakuakeで知って買う、という応援購入が増えれば、地域でこだわりをもって作られた品物が選ばれるようになり、そういうつくり手がもっと増える、そんな世界が実現できると思います。

実例3
TEAM KITASANRIKU by下苧坪之典(北三陸ファクトリーCEO)

北三陸の食のブランディングとウニ再生養殖を行う水産ベンチャー。ウニ再生養殖による「磯焼け問題」を解決し、藻場再生を推進。makuakeで約1200万円を集めた。

外部の力を生かせる人材

これまで地域発のプロジェクトは、もともとその地域にいた人が多い印象でしたが、最近は、外部の力を得て取り組みを拡大しているケースが目立ちます。約5700万円を集めた、徳島県神山町の「神山まるごと高専」や、沖縄県のBlue Mobilityによる「ヘリコプターバス」事業など、都心部からの移住者やリモートワーカーが都心で培った知識や人脈、力を地方で生かしたり、都心と地方が交ざり合ってやっていく事例が増えていると感じます。
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文=フォーブス ジャパン編集部

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