働き方

2023.11.18 14:30

地域でいま輝く若手の人材像は? 地域活性化のキーパーソン7人が語る

イラストレーション=ブラチスラフ・ミレンコビチ

働く場所の自由化が「余白」と「新事業」を生む

島田由香|YeeY 共同創業者/代表取締役
しまだ・ゆか◎慶應義塾大学卒業後、パソナを経て、米国コロンビア大学大学院修士号取得。日本GEを経て、2008年ユニリーバ・ジャパン入社。14年より取締役人事総務本部長に就任。「WAA」など独自の人事施策を多数実行。17年にYeeYを共同創業。

しまだ・ゆか◎慶應義塾大学卒業後、パソナを経て、米国コロンビア大学大学院修士号取得。日本GEを経て、2008年ユニリーバ・ジャパン入社。14年より取締役人事総務本部長に就任。「WAA」など独自の人事施策を多数実行。17年にYeeYを共同創業。

地域活性化に関わるようになったのは、数年前に友人に日本の田舎に連れていってもらったことがきっかけでした。山や森の美しさ。水のおいしさ、食材の豊かさ、すべてが驚きでした。その地域にいる農家や漁師さんたちの魅力や人を動かす力にも驚かされました。私は組織論やモチベーションのセオリーを学んで長く大きな組織にいましたが、彼らのリーダーシップや人の魅力に魅了されました。
 
そこからいろいろな地域に足を運ぶようになりましたが、同時に昔から感じていた今の働き方への違和感が強くなってきました。毎日通勤し、オフィスで感情を押し殺して一日過ごす。もっと自由な働き方があってもいいんじゃないか。結果さえ出せれば、どこで何をしてもいいはずです。そこから生まれたのが、働く時間・場所を社員が自由に選べる、ユニリーバの独自人事制度「WAA」(Work from Anywhere and Anytime)とい仕組みです。
advertisement

さらに、どこで働いてもいいという会社の制度のもと、効率的に仕事をして、そこで浮いた時間を使って自分の知識や労働力で地域活性化に貢献し、その対価として宿泊を無料にしてもらう、という仕組みにまで発展させました。新型コロナによって、働き方や生き方、暮らし方を見直すことになり、その気づきが、新たな事業へとつながっていきました。

実例4
現代集落 by 林 俊伍(こみんぐる取締役)

能登半島の先端、石川県珠洲市で2021年に始まった実験的なコミュニティ。テクノロジーを活用して、地域資源が循環する集落への再構築を目指す。古民家の再生や「道」の造成も行う。

好奇心をもち、『ヒマ』な人材

ヒマとはスペース(余白)があるという意味。スケジュールも少し余裕を入れたり、遊びをもたせたり。そうすると好奇心も発揮しやすい。また、スペースには宇宙という意味もあります。自分のなかに宇宙観、世界観をもつことも大事で、自然とのつながりは、人にとって欠かせないものです。自分が自然や、つながりのなかで生かされているという感覚をもつと、人の強みや地域の魅力を「引き出す」力にも(ヒ)、前向きに(マ)取り組んでいく力にもつながるでしょう。
次ページ > 関係人口の「多様で、新たな作りかた」創造

文=フォーブス ジャパン編集部

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事