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2023.10.19

秋に浸る、ものづくりの世界 燕三条 工場の祭典やひつじサミット尾州が進化

「燕三条 工場の祭典 2023」のテーマは「WHAT IS KOUBA?」。全体監修はクリエイティブディレクター堅田佳一

産業観光というと、何が思い浮かぶだろうか。日本で新たな観光のあり方として脚光を浴び始めたのは、20年ほど前。歴史や文化的な価値がある産業機構や工場などを観光資源として生かし、ものづくりに触れ、人々の交流を促す活動とされ、全国各地でおこった。富岡製糸場と絹産業遺産群のように世界遺産に登録される事例(2014年)も生まれた。

大手ビール会社の工場見学や大手メーカーの産業観光施設などが不動の人気を誇るが、編集部が注目するのは、地域や産業ブランドを盛り上げようと、地場産業や中小企業が手を組み、つくりあげているボトムアップ型の産業観光だ。

やっと秋本番。足を運んでみたい産業観光イベントを紹介しよう。


燕三条 工場の祭典(10月26日から29日まで)@新潟県

2013年にスタートした恒例の「燕三条 工場の祭典」。金属加工の産業集積地である燕三条地域のオープンファクトリーイベントとしてブランディングを成功させ、根強いファンも多いが、ことしからクリエイティブ体制を一新。イベントの全体監修に新潟市を拠点とするクリエイティブディレクターの堅田佳一を迎え、23年9月に任意団体KOUBAを発足した。

23年の「工場の祭典」には87社がオープンファクトリーに参画し、地域を熟知するガイドと共に巡る有料の「KOUBA TOUR」も開催。10月26日には「燕の大正時代産業ツアー」と題して玉川堂(銅器)や石駒(やすり)、六張煙管(きせる)の工場を回りながら、燕の街並みを楽しみながら往年の技術に思いを馳せるのも良いだろう。(9時45分〜14時半、燕三条駅2階 こうばの窓口に集合。参加費7000円)。

全体監修の堅田が紹介するKOUBA巡りコースが紹介される公式インスタグラムも要チェック。初めて開催期間中、公式のトークショーも開く。10月29日11時から12時半には、ともにSGイノベーターである中川政七(中川政七商店)と堅田が、三条市立大学で燕三条地域のものづくり企業にとってこれから必要になる視点や考え方について語る。(コンテンツ詳細はこちら
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文=督あかり

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