欧州

2023.10.27 10:15

ウクライナ、レオパルト2戦車を続けて3両失う 主力旅団入れ替えの影響か

レオパルト2A4戦車。2007年8月、ポーランドのワルシャワで(Dariusz Majgier / Shutterstock.com)

こうして、ウクライナ軍は西側製戦車を活用しつつ、保ち続けることができた。慎重な運用と、ポーランドやドイツにある修理工場の頑張りのおかげで、ウクライナ軍の旅団はこの夏、西側製戦車に関してはフルの戦力に近い状態で戦い続けられた。
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ここ数日、西側製戦車の損失が重なった(3両のレオパルト2A4のうち2両はロシア軍のドローンにやられた)理由を説明するのは難しいが、より積極的な使われ方をした結果である可能性はある。メリトポリに向かう反攻軸ではこのところ、レオパルト2A4を運用する唯一の旅団である第33旅団が、最も激しい戦闘を担うケースが増えているもようだ。

以前はこの軸では第47旅団が反攻を主導していた。ウクライナ軍参謀本部は最近、第47旅団を休息や再装備のために前線から引き揚げさせ、一部の大隊については東部アウジーイウカ周辺の増援に回している。アウジーイウカ周辺では、攻撃してくるロシア軍の縦隊をウクライナ軍が破壊し続け、ロシア軍をこれまでで最大に近いペースで損耗させている。

後ろに下がったり東に向かったりした第47旅団と入れ替わるかたちで、第33旅団が前に出てきたのかもしれない。第33旅団が今後さらに攻撃を進めていくにつれて、おそらく戦車の損失は拡大するだろう。
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レオパルト2の連続損失で慰めになる点があるとすれば、第33旅団や近傍の旅団が引き続きメリトポリに向けて前進していることだろう。通信アプリ「テレグラム」のロシア側のあるチャンネルは「敵の活動は3カ月間弱まっていない」と述べている

3両の戦車の乗員は戦死したのかもしれない。だが、もしそうだとしても、彼らの犠牲はけっして無駄にはならない。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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