働き方

2023.10.29 11:30

本業と副業のシナジーに役立つ「A面 B面 5メソッド」

Forbes JAPAN編集部
レベル3は「知恵を貸す」。DさんはCさんにアイデアも出してほしいと、Cさんの上司にかけ合って「2時間Cさんをブレストに貸してください」とお願いした、みたいなケース。すでに知見がある人が考えるアイデアは的確で早い。本人も、大好きな日本酒のことを仕事で考えられて、役にも立てる。双方ハッピーです。

レベル4は、「プロジェクトチームに入る」。やっぱり適任だなと、社内の各方面の了承をもらって、違う部署だけどCさんにDさんのチームに入ってもらう。よりどっぷり本業に近いところで、お手伝いをすることになります。

そして最終形のレベル5が「自分のプロジェクトでB面を生かす」。自分の部署の仕事や自分が提案した新規事業で、自分の趣味や副業の知見、スキルを生かす。こうなったら、もうどこから見ても、シナジーの塊、最上級のシナジーですね。

どうでしょう? レベル1や2なら、難しいことではないでしょう?そして、徐々にそのジャンルに詳しいことを周りが認知してきたら、3〜5へと、自然と移行していくはずです。

そして、「好きこそ物の上手なれ」とはよく言ったもので。どのレベルだとしてもやってみれば、通常のやり方で業務を進めるのとは違う、新しい何かが確実に生まれます。そうやって個人的な側面を生かす人たちが徐々に増えてくると、多視点が常時もたらされ、気づけば0→1を生むのに苦労しない創発多発チームになります。好きなこととみんなの知恵が生きる「好きこそ物の上手なれ×文殊の知恵」組織。これが、我々が9年間、身をもってやってきた実験結果です。
1人1人がB面を1ジャンルもつ、電通Bチームの集合写真。ほかの企業にBチームが増えてきたら、交流会なんかも面白そうだなと夢見ています。

1人1人がB面を1ジャンルもつ、電通Bチームの集合写真。ほかの企業にBチームが増えてきたら、交流会なんかも面白そうだなと夢見ています。

この連載も、Bチームメンバーに自分のB面から気づいたコンセプトを発表してもらう、レベル3や4のシナジーの仕事として、進めてきたものです。実際にこの連載のコンセプトからたくさんのプロジェクトや新商品が生まれました。さらには、「Bチームをうちにもつくりたい」というお話も徐々に。これからが楽しみです。新しい時代をつくるのは、みんなの個性以外ないですから。

読者の皆様、編集部の方々、長い間ありがとうございました。みんなの大切なB面を提供してくれた、Bチームのみんなもありがとう。今までのコンセプトはウェブで見ることができます。連載後もお役に立てれば幸いです。ではまたどこかで。


電通Bチーム◎2014年に秘密裏に始まった知る人ぞ知るクリエーティブチーム。社内外の特任リサーチャー50人が自分のB面を活用し、1人1ジャンルを常にリサーチ。社会を変える各種プロジェクトのみを支援している。平均年齢36歳。合言葉は「好奇心ファースト」。

倉成英俊◎2014年から電通Bチームをリード。アクティブラーニングこんなのどうだろう研究所所長。20年、面白いプロジェクトをつくる&手伝う専門会社「CreativeProject Base」を創業。東京ベースで世界中のプロジェクトに携わり中。

この記事は 「Forbes JAPAN 2023年12月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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