得をするばかりじゃない、心理学者が「美人の特権」を解説

人は見かけで中身を判断してしまいがちだが、そこには代償がある(Shutterstock)

外見に強く執着するこの世界では、「pretty privilege(美人の特権)」は、慣習的に魅力的とされる個人に対して社会的に大きなメリットを与えている。こうした優遇には明確なメリットがある一方で、非常に魅力的であることには、望ましくない結果もあることが詳細な研究によって明らかになっている。

悪名高き「美人の特権」にまつわる利点と注意点を以下に紹介する。

1. 優れた人間性

2021年の研究は「美しいことは良いことである」という固定概念を調べ、魅力的な人は、魅力のない人よりも道徳的品性が高いと見られていることを発見した。2009年の研究でも、魅力的な人はそうでない人よりも信頼できると考えられていることが示されている。

こうした思い込みは「ハロー効果」に基づいている可能性が高い。ある一面で良いところがあると見られている人を、別の面でも良いところがあると思い込む現象だ。たとえば対称性の高い顔は、魅力的に見られるだけでなく、健康状態や個人的特性、たとえば社会性、知性、活気、自信、メンタルヘルスなどについても、肯定的な指標とされている。

魅力的に生まれ育つことは、個人に自信や社会的能力を与え、その人をより有能かつ好意的で説得力ある人物に見せる。その外見や認識されている能力ゆえに、社会的あるいは恋愛における交流機会が多く、誘いも受けやすい。

しかしながら、研究によると魅力的な人物は、虚栄心が強いと見られることもある。それは、交際上手に見えるというだけの理由で、その人に対する道徳的判断が相殺される方向に働くためであると研究者らは説明している。

また、個性や共通の利害に基づく真の人間関係が、表面的な外的判断によって悪影響を受けることもある。誤った理由から始まった人間関係は、孤立感あるいは人との本当のつながりという幸福に不可欠なものの喪失につながる。
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翻訳=高橋信夫

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