宇宙

2023.10.16

ハレー彗星から生まれた「流れ星」を見よう、今週の夜空

ハレー彗星。オーストラリア、アウトバック、ウルルで1968年に撮影(Impressions Photography/Getty Images)

北米では先週の「金環食」の興奮冷めやらぬといったところかもしれない。しかし、日没後の空に三日月が現れる今週は、夕暮れ時に外へ出て、西の空を見上げるのに良い時期だ。さらに、オリオン座流星群についてもお知らせする。ハレー彗星からやってくる1年の中でも明るい「流れ星」が見られる流星群だ。

今週の星空鑑賞について知っておくべきことを以下に述べる。

10月17日火曜日:細い三日月を見つける

日の入り直後に南西の空を見ると、驚くほど細い三日月が見えるかもしれない。輝面比(照らされている部分の割合)がわずか7%しかないこの月を見るには、双眼鏡を使って地平線を探す必要があるだろう。

10月18日水曜日:三日月とアンタレスが接近

日没後の南西の空では、輝面比13%の三日月が、さそり座で最も明るい星であるアンタレスのすぐ近くを通過する。太陽系から約500光年離れた恒星だ。

10月19日木曜日:月の「地球照」

この日の月は輝面比21%。「地球照」も見ることができるはずだ。太陽の光が地球の海と氷に反射して月を照らす現象で、月の輝いていない部分がうっすらと見える。アンタレスもまだ月から遠くない位置にいる。

10月21日土曜日深夜:オリオン座流星群が極大

21日土曜日の夜、上弦の月が沈んだ後、翌朝まで起きている意欲のある人は、オリオン座流星群を見るチャンスがある。極大は21時頃だが、翌朝まで、1時間に5~10個程度の「流れ星」が見られるだろう。

ハレー彗星が太陽系内にまきちらしたダスト(ちり)によって起こるオリオン座流星群は、みずがめ座η流星群とともに、この彗星から生まれた2つの流星群の1つだ。

ハレー彗星が最後に太陽系で見られたのは1986年で、今年12月に海王星の彼方で地球から最も遠い点に達した後、2061年に太陽を周回するまでの長い旅を始める。

今週の準惑星:エリス

冥王星は惑星か? いや、違う。今世紀の初め、太陽系外縁部に冥王星サイズの天体がいくつも見つかって以来、惑星ではなくなった。その準惑星の1つであるエリスが、今月、くじら座で「衝」になる。

衝とは、地球が太陽とエリスの間を通過することを意味し、この準惑星は地球から最も明るく見える。ただし、エリスを見るためには大型の望遠鏡が必要だ。太陽系の準惑星には、エリスと冥王星のほかに、ケレス、ハウメアおよびマケマケがある。

今週の天体:マゼラン雲

南半球へ行って晴れた空を見上げると、2つの星雲が見つかるかもしれない。銀河系を周回する矮小銀河のペアである大マゼラン雲と小マゼラン雲(LMCとSMC)は、赤道より南へ行ったことのない人にとっては驚きの光景だ。

今週は明るく輝くマゼラン雲を見る理想的な時だが、できるだけ暗い空の下に行く必要がある。もし今週、南半球へ行く予定があれば、双眼鏡を持っていくことをお勧めする。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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