一部の職の人にとっては、AIは仕事に役立つ優れたツールになる。別の人は、AIに仕事を奪われつつある。人工知能に関しては、価値の方程式を考える必要がある。それはつまり、何をアウトソーシングしたいのかという問いだ。
人工知能はツールなのか? それとも他の何かなのか?
「私たちはそれをつくり、トレーニングした。だが、それが何をしているのか、私たちにはわからない」これは、ニューヨーク大学の教授で、AI調査会社Anthropic(アンソロピック)のAI研究者でもあるサム・ボウマンの言葉だ。BardやChatGPTといったマシンは、内側に謎を秘めているにもかかわらず、大衆向けの生産性ツールとして頭角を現している。ツールが仕事を楽にしてくれることは疑いようがない。だが、ソフトウェアはあなたの友だちになれるのだろうか? ガールフレンドにはどうだろう?OpenAIが開発しているのは、スマートフォンに搭載されたアプリと同じようなツールなのだろうか……それとも、人が歩くのを助けてくれる「松葉杖」のような道具なのだろうか。
松葉杖を使うときには、自分が体重をどこにかけるか、自分の体をどうやってこの道具に預けるか、注意しなければならない。そして、自分を欺いてはいけない──何かをアウトソースするとしたら、そこには必ずコストがともなうのだ。
(forbes.com 原文)