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2023.10.11 08:45

生成AIに淘汰されやすい職業とは

リリースベース(松村)

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生成AIがこのまま発達すれば、いずれ人間の仕事はAIに奪われ、街に失業者があふれるというディストピアに怯える人も多いだろう。求人検索エンジンIndeed(インディード)の労働市場研究所「Indeed Hiring Lab」は、アメリカのIndeedに掲載された5500万件以上の求人と2600以上のスキルから、どの職業がどれだけ影響を受けるかを分析した。

Indeedは、これらの求人とスキルを48の職業に分類。それぞれに生成AIがどれだけ影響するか、つまりAIが能力を発揮しやすいかを、ChatGPTを使って「得意」、「普通」、「高い」、「非常に高い」の4段階で評価させた。生成AIが得意な職業ほど人間が仕事を失う恐れが高くなるわけだ。全体の割合としては、影響を受けにくい職業が34.6パーセント、中程度のものが45.7パーセント、影響を受けやすいものが19.8パーセントとなった。

問題はその中身。Indeedによれば、生成AIが不得意なのは、「直感や高度な推論」または「手先の器用さ、身体的な機能」が必要とされる人間的要素の強いスキルということだ。そのトップが、トラックやタクシーの「ドライバー」となった。反対に、AIが大得意とするのが「ソフトウェア開発」。いわゆる「ナレッジワーカー」は、今後、AIと職を奪い合う立場になるかもしれない。

みなさんの職業はどうか、一覧表を見てもらえばわかる。青は生成AIが不得意な要素。茶色は生成AIが大得意とする要素だ。グラフが茶色いほどAIが幅を利かせる分野となる。コンピューターとの親和性が高く、すでにAIが大いに活躍している職業ほど茶色い。中間あたりには、DX推進が叫ばれながら、なかなか進まない職業が散見される。人間的要素が強い分野なのだと思えば納得がいく。最近話題の「ブルシット・ジョブ」はどうかと考えるに、そんなナンセンスな仕事はAIも理解できないだろうし、完ぺきに(悪い意味で)人間的要素の塊だから、生成AIがどんなに発達しても最後まで残る恐れがある。それこそディストピアだ。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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