AI

2023.10.15 13:00

「AI彼女」の検索が2400%増加、仕事でのAI活用も進むが

Googleトレンドのデータでは、AI彼女に対して関心を持った検索が2400%増加していることが示されている。その結果「AIパートナーへの関心」に応えるアプリが続々と登場している。そうしたアプリの1つである「Romantic AI(ロマンティックAI)」のサイトには、こう書かれている。「史上最高のガールフレンドを夢見たことはありませんか? その彼女はいま、あなたの指先にいるかもしれません」

ホームページの一番上には、大きな文字でこう書かれている。「ホットなボットが待ってます。いますぐメッセージを送って!」 

ホットなボットが待ってるって? 本当に?

あなたのAI彼女は、他の人ともデートする

人間関係というものは……面倒になることもある。なぜなら、良くも悪くも、あらゆる関係が常に「未知」という同じところから始まるからだ。あなたが人生のどの段階にいようが(もしくは、あなたのプロフィルがネット上のどこにあろうが)、人と出会うのは簡単なことではない。

熱のこもった関係でさえ、不測の事態がいつ起きてもおかしくない。人間はしばしば不条理なことをする。一貫性は消え去りやすく、そもそも一貫性が存在しないこともめずらしくない。結婚は破綻する。パートナーは去っていく。兄弟姉妹でさえ音信不通になる。そして、そうした変化が一瞬にして起きることもあれば、一生をかけて進んでいくこともある。

それに比べれば、AIは「予測しやすい」のかもしれない。だが「人間が抱く感情の複雑さ」を減らすことに関して、AIは本当に秀でているのだろうか?

サルトルは「地獄とは他者のことである」と書いた。だが実際には、それは人間関係がうまくいっていない場合に限られる。サルトルの言葉とは、まったく対極にあるような歌詞も存在する。「ゴーゴーズ」のボーカルだったベリンダ・カーライルが1987年に歌った「Heaven Is a Place on Earth」だ。そこでは「私たちは地上に天国をつくる」と楽しげに歌われている。

私たちがAIコンパニオンと結ぶ関係について最もよく表しているのは、どちらの世界観なのだろうか?

人間というものは、コントロールを切望する。私たちはカレンダーを管理し、期待を管理し、管理者を管理する。にもかかわらず、未知のものはいつだって姿を現わす。
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翻訳=梅田智世/ガリレオ

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