映画

2023.09.29

「知覚をもったAIと人」を描いた必見映画10選

Tim P. Whitby/Getty Images for Walt Disney Studios Motion Pictures UK

WGA(米国脚本家組合)のストライキが成功し、AMPTP(全米映画テレビ制作者協会)との交渉もまとまりつつある。SAG-AFTRA(映画俳優組合-米国テレビ・ラジオ芸能人組合)との合意もそう遠くないはずだ。このことはAIを巡る論争が少しばかり先送りされることを意味する。しかし、AIが消え去るわけではないので、私たちは次に何が来るのかを予測しなければならない。

今週末、米国では『ザ・クリエイター/創造者』が公開され、人類とAI、そして人類自身の戦争という、新たな「もしも」が描かれる。そこで、AIの到来に備え、人間とAIの関係を描いた最新映画の鑑賞に備えるためには、AIを題材にした映画を観るのが一番ではないだろうか?

機械知能、ロボット、AIに関する映画は数多くある。あるものは知覚を持つ機械の危険性に対する厳しい警告であり、またあるものはAIに対する共感や同情を誘うものである。だから私のリストには、あらゆるものを少しずつ幅広く盛り込むつもりだ。

このリストに入るための重要な条件は、AIが知覚をもつようになり、それに人間がどう反応するかというアイデアに焦点を当てた映画であることだ。AIは物語の実際のキャクターでなければならず、AIの存在や役割が単なる前提として扱われるだけの物語には適用されない。たとえば『スター・ウォーズ』にはさまざまな自意識を持つロボットが登場するが、それらの存在や人間との関係が主要なプロットだったり物語の中心だったりすることはない。

どのシリーズからも1本しか採り上げていないので、場合によっては有名ですばらしい映画がこのリストから漏れているのを見て驚くかもしれないが、それは2つか3つのシリーズだけでリストが埋まってしまうことを避け、できるだけ広い網を張って映画の提案をするためだ。そうしないと、『ターミネーター』、『マトリックス』、『ブレードランナー』といったシリーズがリストの少なくとも半分を占めてしまうだろう。

というわけで、AIについて観るべき10本の映画を紹介しよう。まずは私のベスト5だ。

・エクス・マキナ

ファンの大部分を含めて、このリストで最も誤解されている作品の1つだが、人工知能の開発や議論へのアプローチの構造的欠陥を描いた最高傑作だ。偏見、思い込み、取引的な力関係は、共感や同意も巻き込み、誰が被害者なのか、それとも主人公なのかが明らかになるまで解体される。

・アンドリューNDR114

不当なまでに過小評価された映画で、充実した生涯を検証している。そして「機械と人間の間の境界線はどこにあるのか?」という問いを暗示する数少ない映画の1つだ。そして、その線を特定できないことに意味があることが理解できる。

・ブレードランナー 2049

ファンは1作目を取り上げるべきだと考えるかもしれないが、1作目は「人間であるとは何か」という問いよりも「機械であるとは何か」という問いに興味を持っている。後者こそがこのリストの目的であり、続編が最も上手く表現していることは、両方の答えが最終的に同じになるかもしれないという壮麗な声明だ。

・ターミネーター2

この作品は、一連のシリーズの中で「人間であるとは何か」と「AIであるとは何か」という問いについて最も多くのことを語っており、それ全体から私たちが学ぶべき教訓に最も関心を寄せている。この作品は機械が私たちに成し得る最悪の事態は、私たちがすでに自分自身にしていることに過ぎないということを示唆している。

・GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊

映画史上、最も革新的で影響力のあるアニメ・SFストーリーの1つであることは間違いない。『マトリックス』が好きなら(好きでない人はいないだろうが)、この作品は最大のインスピレーションの源であり、影響を与えた作品の1つだ。華麗に描かれた、先見性のあるアニメーションストーリーテリングの傑作として完璧に成立している。
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翻訳=酒匂寛

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