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2023.10.10 17:45

3分でサウナ以上に整う アイス・ブレイクスルーの驚くべき効能

ヒューマンポテンシャルラボの山下悠一とヴェルステゲン・レンス

ヒューマンポテンシャルラボの山下悠一とヴェルステゲン・レンス

氷でキンキンに冷えた0℃のお風呂、皆さんは入ってみたいだろうか? 10〜15℃の水風呂でもヒイヒイしてしまう大半の人は、躊躇してしまうだろう。しかしながら、「3分入るだけで新しい自分の可能性に気づく」、そう聞くと勇気を出して試してみようという方もいるはずだ。

今回は氷風呂を使った一風変わったプログラム「アイス・ブレイクスルー研修」を提供する、ヒューマンポテンシャルラボCEO山下悠一とCOOヴェルステゲン・レンスに、その方法と驚くべき効果について聞いた。


ヒューマンポテンシャルラボ(以下、HPL)は、気候変動や世界の分断、テクノロジーの飛躍的な発展などが渦巻く昨今、人間の可能性とは何かを今一度問いただし、未来を生き抜く叡智を導き出す活動を行なっている。その人間の可能性を引き出す鍵となるのが、「コンフォートゾーンのブレイクスルー」だと山下は説く。

「自分のコンフォートゾーンの中でいくら頑張っても、やっぱり限界があります。特に不確実性が高まる現在の環境下で、継続的にパフォーマンスを出していくのであれば、恐れや怖さを打破して、自己変容する必要がある。

僕たちはその恐怖を“モンスター”と呼んでいるんですが、まずは自分の中にどんなモンスターがいるのかを認識し、それらは内面が作り出した幻想であることに気づき、打ち砕いた先に至福があることをアイスバスで体験してもらいます。それはある意味、究極のウェルビーイングと言えます」
アイスバスは凍死の危険有りの一歩手前の0〜1℃。

アイスバスは凍死の危険有りの一歩手前の0〜1℃

実際にアイスバスの目の前に立つと、「体が痛むだろうな」「3分も入っていられるかな」と、不安や恐怖に苛まれる。いざ覚悟を決めて入ってみても、やはり体がヒリヒリし、思うように息ができず、軽いパニック状態に陥る。「あっダメだ、もう出よう」という諦めの気持ちに何度も襲われる。

なんとか我慢して2分くらい経つと、徐々に体が慣れてきて苦しさがなくなり、3分を目前にする頃、不思議と幸福感が体から湧き上がってくる。

「精神的に恐れを乗り越えるという部分も大事ですが、実は体の方も興味深い反応がたくさん出ます」とレンスが言うように、アイスバスに入ることで交感神経から副交感神経優位になり、心拍数が整い、炎症や筋肉の腫れが抑制され、身体の天然鎮痛剤と言われるエンドルフィンや、感情のバランスを保つセロトニン、運動や情緒反応を促進するドーパミン、愛情ホルモンのオキシトシンなどが分泌される。

「人間の体って実はすごいんです。厳しい状況をなんとかしようと幸せホルモンを勝手に出してくれるので、実は自分でなんとかしようと頑張る必要がない。体に身を任せて、すべてを手放すことで、さまざまな心の重荷や緊張状態から解放され、深いリラックスを得られます」とレンス。
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文・写真=国府田 淳

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