ウクライナに侵攻する前、ロシア軍が保有していた大砲は4000門と、ウクライナ軍の2倍以上だった。母数が大きいとはいえ、損失数の差は歴然としている。そしてこの傾向は、ロシア軍にとっては不穏なものだ。
榴弾砲やロケット弾発射機の損失の増大により、ロシア軍は古い大砲にますます頼るようになっている。ウクライナ軍の一人称視点(FVP)ドローンの操縦士がこのほど、80年近く前のロシア軍の野砲を見つけ破壊したのにはそうした背景がある。
ウクライナ軍の有名なドローン操縦士、ロベルト・ブロウディは、爆発物を搭載したFVPドローンから撮影した動画を投稿した。1946年に旧ソ連が使用するようになった「師団砲」のD-44をズームでとらえている。
口径85mmのD-44がウクライナでの戦争に投入されたのはこれが初めてではない。ウクライナ側も、1970年代に製造されたMT-LB装甲けん引車にD-44を搭載し、「MT-LB-44」という新種の対戦車兵器を生み出している。
だが、ロシア軍が古い野砲を展開しているという事実は、同軍が多くの大砲を失いつつあり、そしてその損失を埋めようと躍起になっていることを示している。
旧ソ連の自走砲ウラルマッシュの工場は、1945年から1953年にかけて毎年1000門以上のD-44を製造していた。より威力のあるD-30が1980年代初めに取って代わるまで、D-44はワルシャワ条約機構の加盟国とソ連の同盟国で広く使用された。
- 1 D-44 85-mm divisional gun.
— 𝔗𝔥𝔢 𝔇𝔢𝔞𝔡 𝔇𝔦𝔰𝔱𝔯𝔦𝔠𝔱 🇬🇪🇺🇦🇺🇲🇬🇷 (@TheDeadDistrict) September 27, 2023
Designed 1943–1944
Produced 1944–1953
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