「女子サッカーの人気の波、というものをすごく感じていました。優勝とともに女子サッカーがフォーカスされて、寂しくなってきたタイミングで自分がいろいろな責任を背負えるようになってきて。プレッシャーがゼロだったわけではないですけど、それを自分の力に変えてこられた。プレッシャーも含めて、自分のサッカー人生だと思っています」
プレッシャーとは「10番」と向き合ってきた軌跡でもある。身長155cm体重52kgの小さな体で必死に責任を背負い、自分なりにまっとうできた。そう思えたからこそ、引退を報告したインスタグラムの写真に「10番」の代表ユニフォームも入れた。
会見の冒頭から緩んでいた涙腺は、背中を追い続けた澤さんが途中でサプライズ登場した瞬間にさらに決壊した。第2の人生を「女子サッカーの発展や成長のために何か貢献したい」と思い描きながら、岩渕は涙を笑顔に変えて前へ進んでいく。