4. データが顧客インサイトを引き出す
Coresight Researchでは、インテリジェントなビジネス上の意思決定を促すインサイトを引き出すには、データの力が重要であると考えています。eTail Boston 2023では、多くのセッションやイノベーターとのディスカッションで”データ”が重要なトピックとして挙げられました。ブランドや小売企業は、パーソナライゼーションを含め、ビジネス戦略に役立つデータをますます求めるようになっています。
ファーストパーティデータは、顧客の完全な情報を得る上で極めて重要です。美容ブランドLashifyのマーケティング・ディレクターJessalyn Henry氏は、Googleがサードパーティ・クッキーを段階的に廃止したことで、顧客の全体像を把握するためにファーストパーティデータをより多く集めるようになったと述べました。
また、Sharma氏は、Lowe'sがオンライン販売データを分析した結果、ラグがフローリング購入後にそのまま購入されていることが明らかになったため、店内のレイアウトを調整し、ラグをフローリングに隣接させることで、消費者の行動によりよく対応できるようにしたと述べました。
Shopifyを基盤とする多くのDTCブランドにとって、プラットフォームが提供する「ライフタイムバリュー(LTV)」データの活用は重要で、LTVにより、ブランドは顧客ベースを長期的な価値に基づいてセグメント化することができます。このセグメンテーションにより、価値の高い顧客、ロイヤリティの高いリピート購入者、改めてエンゲージメントする必要がある顧客を特定することができます。
また、LTVデータがあれば、ブランドは特定の顧客グループに共鳴しやすい、ターゲットを絞ったマーケティングキャンペーンを行うことが可能です。
また、ブランドや小売企業も、イノベーターと協力してデータ主導のインサイトを獲得しています。例えば、ライドシェア・プラットフォームのLyftの成長マーケティング・ディレクターであるKevin Hsu氏は、同社が購買ベースのデータ・インテリジェンス企業であるCardlytics社と協力し、データ主導の意思決定を高めていることを説明しました。
また、Kohl'sのマーケティング・プランニング、パーソナライゼーション、ケイパビリティ担当副社長のCourtney Graybill氏は、同社がテクノロジーベンダーと協力して顧客行動をモニターし、さまざまなデータ主導のメッセージングやオファーを試していることを説明しました。
テクノロジー・イノベーターであるEarnest Analytics社は、医療費請求データ、ファッション再販データ、天候データを収集し、企業により良いインサイトを提供していることを説明しました。