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2023.09.21 16:15

顧客インサイトを引き出す鍵は? 小売カンファレンス「eTail Boston」レポート

田中友梨

WHAT WE THINK

シームレスなオムニチャネル体験はまだ完成途中であるため、ブランドや小売企業がオンラインとオフラインのタッチポイントをシームレスに統合するためのソリューションを提供するテクノロジーベンダーにはビジネスチャンスが残されています。

また、ベンダーは、ソーシャルコマースの統合を促進するツールを開発することで、ブランドや小売企業がソーシャルメディア・プラットフォーム上で商品を紹介し、取引を促進できるようにすることができます。

今後も顧客中心主義が鍵となり、ウェブサイト機能の改善、チェックアウトの合理化、ロイヤルティプログラムが満足度を高めることになるでしょう。

ブランドや小売企業にとっての意味合い

・ブランドや小売企業は、シームレスなオムニチャネル体験を構築することを優先する必要があります。これには、カスタマージャーニーの最適化、データの統合、在庫の可視性の確保、シームレスなチェックアウトオプションの提供、ユーザーフレンドリーなオンラインおよびモバイル体験の提供などが含まれます。

・ブランドや小売企業は、オンラインとオフラインの相互作用を橋渡しするソーシャルコマースの重要性を認識することが重要です。ソーシャルメディア・プラットフォームにコマース機能を統合することで、エンゲージメントを強化し、チャネル全体でより強力な存在感を示すことができます。

・ブランドや小売企業は、メタバースと新興テクノロジーの可能性を検討する必要があるでしょう。メタバースはまだ発展途上ではあるものの、ブランドの認知度とエンゲージメントを高め、ユニークな交流の機会を提供することができます。

・顧客満足は、事業活動の最優先事項であり続けるべきでしょう。ブランドや小売企業は、購入後の体験を大切にし、パーソナライズされたエンゲージメントのためにロイヤルティプログラムを活用し、顧客のニーズをよりよく理解し、それに応えるためにデータを活用する必要があるでしょう。

・ブランドは、自社の特徴、予算、Eコマースの目的に基づいて、適切なマーケットプレイスを慎重に評価し、選択する必要があるでしょう。主要な指標をモニタリングし、マーケットプレイスの欠点を理解することは、十分な情報に基づいた意思決定を行う上で役立てることができます。

優位に立つブランドや小売企業

・シームレスなオムニチャネル体験を構築している、または構築しつつあるブランドや小売企業は、有利な立場に立つことができるでしょう。マルチチャネルでの取引を求める消費者の期待に応え、その旅を通して一貫性と利便性を確保することができます。この点で成功している小売企業には、Lowe's、The Home Depot、Targetなどがいます。

・Tailored Brandsのようなブランドや小売企業は、VRやARなどのテクノロジーを活用し、メタバースでの機会を模索し、試すことで、この新たな場所で存在感を示すことができ、急速に進化する小売業界で差別化を図ることができる可能性があります。

優位性を失うリスクのあるブランドや小売企業

・インサイトを得るためにデータを活用しないブランドや小売企業は、消費者の嗜好や行動を理解するのに苦労し、その結果、効果的な戦略を立てられず、顧客満足度が低下する可能性があります。

・単一のマーケットプレイスに過度に依存するブランドは、特に価格設定や品揃えのコントロールが制限される場合があるため、収益性と差別化を維持する上で課題に直面する可能性があります。

テクノロジーベンダーにとっての意味合い

・ソーシャルコマース向けのツールを開発するテクノロジー企業は、オンライン空間で優位に立とうとするブランドや小売企業に強く訴求するでしょう。

・テクノロジープロバイダーは、堅牢なデータ分析とパーソナライゼーション・ソリューションを提供し、ブランドが顧客インサイトを収集し、カスタマイズされた体験を提供し、購入後のやり取りを最適化するのを支援することができます。


※この記事は、2023年9月にリリースされたRxR Innovation Initiativeからの転載です。

文=RxR Innovation Initiative

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