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2023.09.21 16:15

顧客インサイトを引き出す鍵は? 小売カンファレンス「eTail Boston」レポート

5. ブランドが協業する小売企業を選ぶ際の留意点は、「目標・指標・欠点」

Levi'sやSkechersなど、多くのブランドが最近の決算発表会で卸売チャネルの売上減少を報告しており、販売機会を最大化するために、ブランドが適切な小売企業を選ぶことが非常に重要になっています。

ブランドは、卸売パートナーを選ぶ際に、小売企業のサービス内容、予算、Eコマースの目的を評価する必要があるでしょう。

アメリカの楽器小売企業Sweetwater社のEコマース・マーケットプレイスおよびアナリティクス担当ディレクターであるLaura Smith氏は、「私たちは多くのSKU、関連情報、外部情報を保有しています。そして、技術エンジニアチームとチャネル・アドバイザリー・チームが、卸売に関して何が必要か、当社の商品データはどのようなものなのかを追求しています。」と述べ、また、検索エンジンの最適化(SEO)も、商品の発見のしやすさを向上させる上で重要であることを強調しました。
(左から右)Hivessence社の社長兼共同設立者であるDavid Burrows氏、Russel Stover Chocolates社のデジタルコマース担当ディレクターであるJosh Clarkson氏、Get Joy & CoのEコマースおよびグロース担当責任者であるAndrew Greenberg氏、Sweetwater社のEコマース・マーケットプレイスおよびアナリティクス担当ディレクターであるLaura Smith氏、eTail Boston 2023のポートフォリオ・ディレクターであるKristin Schoenstein氏(モデレーター)
出典:Coresight Research

売上の数字だけでなく、コンバージョン率、カスタマーレビュー、商品ページのエンゲージメントなどの指標を追跡することで、市場戦略の効果や顧客満足度を明確にすることができます。

Hivessence社のBurrows氏は、「私たちはソフト製品の立ち上げを数多く行い、顧客体験を理解するために多くの調査を行いました。どのような成分が利益率を高めるのか、どのような層が購入しているのか、ホリデーシーズンの売上はどうなっているのか、どのような季節商品が好調なのかなどの角度から、全商品の指標をまとめています。」と述べました。

マーケットプレイスは大きな可能性を秘めていますが、ビジネス上の意思決定をする際には、その欠点を考慮することがとても重要です。特に、一部のマーケットプレイスでは、商品、ブランディング、カスタマイズに制限を課しているため、ブランドの差別化が制限される場合があります。

「マーケットプレイスとしてAmazonに大きく依存することの大きなデメリットは、価格戦略、品揃え、ブランド・アイデンティティのコントロールなど、ビジネスの重要な側面に対するコントロールを失う可能性があることです」と、アメリカのキャンディー、チョコレート、菓子メーカーであるLussel Stover Chocolates社(Lindt & Sprungliグループ傘下)のデジタルコマース担当ディレクターのJosh Clarkson氏は指摘し、「Amazonは需要を生み出す場であり、供給するための場ではありません。何が欲しいかは消費者が決めるのです。」と述べました。
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文=RxR Innovation Initiative

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