欧州

2023.09.22 09:00

韓国からの贈り物、K600工兵車がウクライナ軍の手痛い損失を補う

韓国の現代ロテムが手がけるK600戦闘工兵車。2021年、ソウルで開かれた展示会で(Flying Camera / Shutterstock.com)

ロシア軍は占領したザポリージャ州や東隣のドネツク州で、「スロビキン・ライン」と呼ばれる3重の防衛線を築いた。ウクライナ軍は6月上旬に南部方面で待望の反転攻勢を始めてから14週間たつなか、第1防衛線の塹壕の周囲にある最も高密度の地雷原を突破したり、迂回したりしている。
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とはいえ、ウクライナ側にとって地雷が問題でなくなったわけではない。両軍の現在の接触線と、そこから南へ約80キロメートルに位置し、ロシア側の占領下にある主目標のメリトポリ、マリウポリ両都市の間には、多数の地雷が埋められている。その数は数十万におよぶ可能性もある。

レオパルト2Rと違って、K600は地雷除去以外の作業もいろいろこなせる。たとえば掘削アームを用いて塹壕を掘ったり、盛り土を崩したりできる。また、ドーザーブレードを交換することで、ときには地雷除去作業、ときには建設作業といった使い方もできる。

「同じ車両、あるいは車両のセットで、地雷原の切り開き、土砂や障害物の移動、車両の回収、障害の強行突破などを、任務上の必要に応じて容易に行うことができる」とピアソンは説明している。
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K600はウクライナで、地雷がすべて除去されたあとですら役に立ちそうだ。もっとも、地球上で最も地雷が多い場所の1つになってしまっている国で、それが近いうちに実現することは見込めそうにないが。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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