ビジネス

2023.10.08

日本と米国で違う「目に見えない価値」への向き合い方

Getty Images

日本の企業が世界に出るとき足りないものは何か? そのひとつがコミュニケーション、つまり伝える内容や伝え方だとしたら、どうすれば乗り越えていけるのか?

未開拓の日本の可能性を世界と繋ぐことをミッションとするKitchen & Companyの代表・中道大輔がナビゲートするPodcast「VISION TO THE FUTURE」とForbes JAPANがコラボレート。国内外で活躍する“視点”のあるゲストとともに、考え、発信していく。

Vol.56配信は、前回に引き続きフードロスバンク 代表取締役社長 山田早輝子。語学留学先の米国でいちから人脈を築き、多様なビジネスを展開してきた山田。日本には素晴らしいコンテンツや文化があるにもかかわらず、その伝え方に課題があるため世界における日本の存在感が薄れていると言う。


中道:前回に引き続き、フードロスバンク代表取締役社長の山田早輝子さんをお迎えしています。

前回は、山田さんが米国に留学し、慈善活動に取り組むなかでリチャード・ブランソンと知り合い、そこから広がった人脈で映画製作会社を設立したり、国際ガストロノミー学会日本代表として活動されたり、フードロスバンクを立ち上げたり……というお話を伺いました。では今後、山田さんはどこへ向かおうとされているのでしょうか。

山田:いろいろなところで「ゴールは何ですか」と聞かれるのですが、明確なゴールは持っていないんです。ゴールを決めてしまうと、それに自分の可能性が縛られてしまうような気がして。

20代で語学留学した時は、1年したら帰ろうと思っていたんです。でもそれは明確なゴールというわけではなかったので、結局10年以上海外に住んでいました。米国、英国、シンガポールでの経験がなければ今の自分はないと思うので、ゴールとに縛られていなくてよかったなと思っています。

だから今も、無理やりゴールをつくるのではなく、その時々のご縁を大切にしていく方が広がりがでるのかなと思っています。今、クールジャパンの委員もやらせていただいているのですが、日本には素晴らしいものがたくさんあるのに、海外での日本人のプレゼンスが低い。ですから小さい分野でも、世界のリーダーやプラットフォームになっていけるようなお手伝いがしたいという漠然とした気持ちはあります。

でも、そのためにこれをするということはなくて。フードロスバンクにしても映画製作会社にしても、ショートタームの計画などはありますが、長期的なゴールというのはありません。生きていると何があるかわかりませんからね。
(左)中道大輔(右)山田早輝子

(左)中道大輔(右)山田早輝子

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文=久野照美 編集=鈴木奈央

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