宇宙

2023.09.20 15:30

宇宙空間の巨大な目? 珍しい「極リング銀河」、電波観測で偶然発見

オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)のASKAP電波望遠鏡。内陸部の未開地アウトバックにある(CSIRO/A. Cherney)オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)のASKAP電波望遠鏡。内陸部の未開地アウトバックにある(CSIRO/A. Cherney)

最高の「偶然の発見」

クイーンズ大物理・工学物理・天文学部の教授で、カナダ王立軍事大学にも所属するクリスティーン・スペッケンズは「これは、最高の『偶然の発見』だ。見つかるとは本当に思ってもみなかったものを発見した」と話す。「これらの結果は、これまでに実施されたよりも深く、かつ広く空をマッピングすることの、途方もなく大きな重要性を如実に示している」

極リング銀河の調査によって、銀河がどのように進化するかに関する天文学者らの理解が深まることが期待されている。また一方で、本体の銀河にあるダークマター(暗黒物質)の形状を調べるのに利用できる可能性があるとも考えられている。宇宙全体の物質の約85%を占め、重力としか相互作用しないダークマターは、光やエネルギーを吸収も反射も放出もしない。

オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)が所有・運用する電波望遠鏡ASKAPは、西オーストラリア州Wajarri Yamaji地方にあるCSIROマーチソン電波天文学天文台(Inyarrimanha Ilgari Bundara, the CSIRO Murchison Radio-astronomy Observatory)に設置されている。

研究チームは今後、南アフリカにある電波望遠鏡「MeerKAT」を用いて、今回の研究結果の裏づけを得たいと考えている。

forbes.com 原文

翻訳=河原稔

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