宇宙

2023.09.15 14:00

120光年先の系外惑星で生命の存在示す可能性のある分子を発見

太陽系外惑星K2-18 bと惑星系の主星と他の惑星を描いた想像図(NASA, ESA, CSA, Joseph Olmsted (STScI))

太陽系外惑星の大気中に、生命の兆候である可能性のある分子が含まれていることを、科学者チームがジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡を使った観測で発見した。

チームはわずか2回の観測中に、しし座の方向に太陽系から約120光年の距離にある巨大な「サブネプチューン」惑星「K2-18 b」の大気中に「硫化ジメチル(DMS)」が含まれることを示す証拠を見つけた。

地球において、DMSは主に植物プランクトンに由来する副生成物だ。だが、今回の観測結果をまとめた論文の執筆者らによると、DMSの検出は予備的な結果であり「さらなる検証が必要だ」という。論文は、The Astrophysical Journal Lettersに掲載される予定。

生命の探査

論文の筆頭執筆者で、英ケンブリッジ大学の天文学者のニック・マドゥスダンは「ウェッブ望遠鏡による次回の観測では、実際にDMSがK2-18 bの大気中に有意な濃度で存在するかどうかを確かめることができるはずだ」と話す

研究チームは、K2-18 bの大気を通過した、K2-18 bの主星からの光を分析した。ウェッブ望遠鏡の比類のない赤外線観測能力に加えて、驚異的な感度の良さが要となった。

この研究の最終的な目標は、生命存在可能な系外惑星で生命を発見することだ。

心躍る系外惑星

K2-18 bがメディアに大きく取り上げられるのは、これが初めてではない。低温の赤色矮星(わいせい)「K2-18」を公転する、地球の8.6倍の質量を持つこの系外惑星は、米航空宇宙局(NASA)のケプラー宇宙望遠鏡によって2015年に発見された。K2-18 bが心躍る理由は次のような点にある。
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翻訳=河原稔

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