メキシコに宇宙人? かつて嘘がバレた研究家が死体を議会に提出

メキシコ議会に提出された「人間ではない」と称されるミイラ化した死体(Photo by Press Office of Mexican Parliament / Handout/Anadolu Agency via Getty Images)

自称UFO研究家・ジャーナリストで、かつてエイリアンに関する記事の嘘を暴かれたことがあるハイメ・モーサンは、9月12日に「人間ではない」と称する化石化した死体をメキシコ議会に提出し、DNA検査を行えば死体が地球のものではないことを証明できると主張して、SNSを湧かせた。

長く伸びた頭と3本指の手に、ハリウッドで描かれるエイリアンのような外観のミイラ化した小さな死体は、2017年にペルーで発見したとされ、モーサンは約1000年前のものだと述べている。

モーサンは、死体は珪藻の採集所で見つかったもので、メキシコ国立自治大学の研究チームが両方を観察した結果、一方の内部で「卵」が見つかったと主張している。

メキシコの海軍医療科学研究所所長であるホセ・デ・ヘスース・ザルス・ベニートスは、死体のスキャン画像を議会メンバーに見せ、死体に歯はなく、格納可能な首に大きい脳と大きい目があり「広い立体視覚」を持っていると主張した。

かつてモーサンは、2015年にペルーで発見されたとされたエイリアンについて報告したが、後にその正体を暴かれ、人間の子どものミイラ化した死体であることがわかっている。

ベニートスは、正体が暴かれた死体の発見を発表した研究チームのリーダーでもあった。このGaia.comは2017年にYouTubeで、3本指のミイラ化した3体の死体を公開している。Gaia.comは陰謀論の拠点として精査されている。

元米国海軍パイロットで、UFOとの遭遇について7月に議会で証言したライアン・グレーブスも、議会で証言し、自身の組織であるAmericans for Safe Aerospaceの目標は「UAP(未確認航空現象) に関する公教育の改善、汚名の返上および透明性と開示の改善に向けて取り組むこと」であると話した。

モーサンは、ジャーナリストとして50年以上活動してきた。Gaia.comは年間99ドル(約1万5000円)が必要なウェブサイトで、エイリアンによる誘拐など、超常現象や超自然現象の動画を公開している。同サイトの親会社はビデオプラットフォームのGaia Inc.で、同社は時価総額5200万ドル(約77億円)の上場企業だ。

Gaiaのビデオレポートに出てくる死体は、先日メキシコ議会で提示されたものよりずっと大きいが、3本指の手や長く伸びた頭など、いくつか共通点がある。2010年、モーサンは自身のテレビ番組でホストを務め、2019年には、メキシコ史上「最も物議を醸したUFO事件」を追った1時間のドキュメンタリー「Maussan's UFO Files」で取り上げられた。モーサンは、Maussan TVというYouTubeチャンネルも持っており、100万人近い登録者がいる。

今年7月、元諜報員のデビッド・グルーシュとグレーブスはUFOに関する議会公聴会で証言した。グルーシュは宣誓した上で、連邦政府が未確認飛行現象を保持していることは絶対に「間違いない」と語った。グルーシュはさらに、UAPの墜落現場を調査して「人間以外の生物体」を回収した人物をインタビューしたことも主張している。

forbes.com 原文

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