・2019年にハッブル宇宙望遠鏡が、大気中に水蒸気が含まれる証拠を発見した
・メタンや二酸化炭素などの炭素を含む分子の存在も、今回の最新研究で明らかになった
・メタンや二酸化炭素が豊富で、アンモニアに乏しいのは、水素を多く含む大気の下に海があるかもしれないことを示唆している。いわゆる「ハイセアン(Hycean)」系外惑星だ
ウェッブ宇宙望遠鏡の近赤外線撮像分光器NIRISSと近赤外線分光器NIRSpecで得られた系外惑星K2-18 bのスペクトル(NASA, ESA, CSA, Ralf Crawford (STScI), Joseph Olmsted (STScI))
多様な環境
質量が大きいため、表面重力が地球よりはるかに強い。さらには、主星K2-18が極めて活動的な恒星であることがわかっている。そのためK2-18 bの表面は、高エネルギーの放射線が頻繁に降り注ぎ、生命にとって厳しい環境になっている可能性が高い。またK2-18 bの内部には、海王星と同様に高圧の氷でできた厚いマントルがあり、海は非常に高温のため、生命の生存に適さない環境になっている可能性が高い。マドゥスダンは「今回の研究結果は、地球外生命探査で多様な生命居住可能環境を考慮する重要性を浮き彫りにしている」と指摘する。「従来、系外惑星の生命探査は、より小型の岩石惑星に主に重点を置いてきたが、より大型のハイセアン天体の方が、はるかに大気観測の助けになる」
今後の展望
太陽系には類似の惑星はないものの、サブネプチューンは天の川銀河(銀河系)で最も一般的な種類の惑星のようだ。研究チームの1人、ケンブリッジ大のサバス・コンスタンティヌによると、ウェッブ望遠鏡に搭載の中赤外線観測機器MIRIを用いたK2-18 bの追加観測が計画されている。「これは、今回の研究がウェッブによってハビタブルゾーン系外惑星で何を観測できるかに関する実証の初期段階にすぎないことを意味している」と、コンスタンティヌは話した。
(forbes.com 原文)