総合優勝作品は、フランスとドイツのアマチュア天文家3人による写真で、タイトルは「Andromeda, Unexpected(アンドロメダ、予想外)」アンドロメダ銀河の隣に、これまで観測されたことのなかった巨大なプラズマのアーク(弧)が捉えられている。これは、超新星か惑星状星雲の残骸と考えられている。
総合優勝を果たした「Andromeda, Unexpected」©Marcel Drechsler, Xavier Strottner and Yann Sainty
米天文誌スカイ&テレスコープによれば、アークは発見者3人の名前をとって「Strottner-Drechsler-Sainty Object 1 (SDSO-1)」と命名された。
本コンテストの審査員を務めた天体写真家のフランチチュ・ラースローは「この天体写真は壮観であると同時に、価値がある」と説明。「アンドロメダを新しいかたちで見せているだけでなく、天体写真のクオリティをより高いレベルに引き上げている」
アンドロメダ銀河は、天の川銀河に最も近い巨大渦巻き銀河だ。天の川銀河に向けて移動しており、約40億~60億年後に衝突すると予想されている。
今年の「アストロノミー・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー」コンテストには、64カ国から4000点を超える応募があった。入賞作品は、9月16日からロンドンの国立海洋博物館で展示されている。
以下に、入賞作品の一部を紹介しよう。
若者部門で優勝した「The Running Chicken Nebula」©Runwei Xu and Binyu Wang
若者部門(優勝):「The Running Chicken Nebula(走るにわとり星雲)」 Runwei Xu、Binyu Wang
中国の14歳の少年2人が撮影。審査員を務めた著名天体写真家ユーリ・ベレツキーは「目をみはるような美しい写真」と評した。オーロラ部門で準優勝した「Circle of Light」©Andreas Ettl