待機は3週間前に終わりを告げた。そしてこのほど、チャレンジャー2の前線での姿を初めて垣間見ることができた。
ウクライナ空中機動軍(空挺軍)に属する第82旅団は、8月半ばに南部ザポリージャ州で戦闘に投入されるや、戦況に大きな変化をもたらした。ロシア軍占領下のメリトポリに向かう約80kmの攻勢軸にあり、ロシア軍の重要な防御拠点だった集落ロボティネのすぐ北に展開した第82旅団は、姉妹旅団である第46空中機動旅団とともに、ウクライナ軍南部司令部がロボティネ解放のために必要としていた勢いを与えた。そうして1週間後、ロボティネは解放された。
第82旅団が保有するドイツ製マルダー歩兵戦闘車と米国製ストライカー装甲車は、戦闘に参加している様子が早々に目撃されていたが、チャレンジャー2については、ロボティネ周辺で実戦投入されていることを示すものは確認されていなかった。だが3日、ウクライナ国防省が同旅団のチャレンジャー2を取り上げた動画を公開した。
"A sniper rifle among tanks" - A Ukrainian tanker shares impressions of using a British Challenger 2 tank in battle. - "We could use a few more companies in Ukraine... russian tanks would be too scared to come out." pic.twitter.com/18tcMMIRuj
— Defense of Ukraine (@DefenceU) September 3, 2023
「この戦車は、ほかの戦車の中にあってスナイパーライフル(狙撃銃)のような役割を果たしている」。乗員4名・重量83トンのチャレンジャー2のそばに立った戦車兵は、動画の中でそう語っている。
英国の戦車は長距離の射撃能力で有名だ。1991年、英陸軍のチャレンジャー1戦車は、約5km離れたイラク軍のT-55戦車を120mmライフル砲で砲撃し、見事撃破している。これは戦車対戦車の最長撃破記録であり、現在も破られていないとみられる。