欧州

2023.09.05 09:00

ウクライナ軍のチャレンジャー2が前線に 「スナイパー」のように敵狙う

英陸軍のチャレンジャー2戦車。2021年、イングランド南部ソールズベリーで(Martin Hibberd / Shutterstock.com)

半面、チャレンジャー2はT-80などより突撃戦車として優れている面もある。動画の兵士も言っているように、チャレンジャー2は弾薬を、砲塔に取り付けられたブローアウト・コンパートメント(即応弾薬庫)に格納する。そのため、そこに被弾した場合、弾薬庫が吹き飛んで爆発の力は外に逃され、乗員や戦車の重要な部品に向かわないようになっている。
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これに対して旧ソ連式の戦車では、弾薬は砲塔の下に格納される。したがって、敵の砲弾が直撃すると二次爆発を引き起こし、戦車内の人や物は空中に放り出されることになる。そうなれば「(生存の)チャンスはほとんどない」と兵士は語っている。

現状では、第82旅団が保有するチャレンジャー2は少数なため、あえて接近戦には投入しないと考えられる。ただ、英国が2個中隊分以上のチャレンジャー2を追加で供与すれば、長距離射撃以外にも活用できる余地が生まれるかもしれない。

この点で、製造元のBAEシステムズが英陸軍にチャレンジャー2を2002年までに386両納入している点は注目に値する。うち227両が現役だが、英政府が引き続き使用するために改修する方針なのは148両にとどまる。
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「わが国に(チャレンジャー2を装備する)中隊がもう数個あれば、とてもいいのですが」と戦車兵は語っている。チャレンジャー2は「正しく使えば(ロシア軍に)死と恐怖を味わわせられるでしょう」

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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