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2023.08.15 15:30

死別の悲しみの中にあっても「癒され」、乗り越えるのに役立つ3つの方法

安井克至

Getty Images

死別の悲しみは、人が生きていく上で避けられない経験であり、喪失や人生の大きな変化に対する自然な反応だ。しかし、愛する人を亡くしたばかりの人にとって、その悲しみの重さは、特に初めのうちは耐え難いものに感じられるかもしれない。

とりわけ、予期せぬかたちでの死別は、残された人の世界観に混乱をもたらす。しかしこの混乱は、やがて世界観の再構築につながることが研究で示唆されている。そしてその過程で、自分の強みを発見したり、人間関係が及ぼす影響への認識を深めたり、新たな精神的洞察を得たりすることがある。

忘れてはならないのは、悲しみの中にあっても、癒され、幸福を感じることは可能だということだ。悲嘆に暮れるのは、死別に対する自然な反応であり、悲しみ方に正しいも間違いもない。そのプロセスは人それぞれであり、心身にさまざまなかたちで現れる可能性がある。

本記事では、死別を悲しむプロセスを少しでも耐えやすくし、時間とともに成長と癒しを得られるようにするための3つの方法を紹介する。

意味を見いだす

死別の悲しみの中にある多くの人にとって、人生の意味を探求することは救いになる。最初のうちは、意味を見いだすのは難しいかもしれないが、時間が経つにつれて、多くの人は、死別の経験から得た教訓や価値観を理解し始める。内省することは、圧倒的な感情の意味を知り、喪失の経験を乗り越えて、人生に目的意識を見いだすのに役立つ。

ある研究によると、死別の悲しみに暮れ、喪失に対処する過程で、人は、人生の深い意味や、大いなる力の存在について考えるようになるという。さらには、スピリチュアルな行為の実践に多くの時間を費やすこともある。祈りや瞑想にふけったり、精神的指導者による導きを求めたり、哲学的な教えを探求したりといった行為は、静かで深い思索の場をもたらし、自身の信念や価値観について新たな視点を得ることにつながる。

こうした内省の段階が自己変容の始まりとなり、自分よりも偉大な何かとつながりたいという欲求が満たされる契機になるかもしれない。
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翻訳=高橋朋子/ガリレオ

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