日々の生活に儀式を取り入れる
儀式的な行為は、感情が乱れている時に秩序と安らぎをもたらすことで、死別を悲しむプロセスを乗り越えやすくする重要な役割を果たす。こうした儀式は、個人でも共同でも行うことができ、帰属意識や継続感を生み出す。個人的な儀式には、日記をつけたり、追悼のためのスペースを設けたり、定期的に瞑想やマインドフルネスの手法を実践したりすることが含まれる。一方、共同で行う儀式には、支援グループや追悼行事に参加したり、故人とその死を偲ぶ活動に参加したりすることなどがある。
一見些細な儀式であっても、強い悲しみを和らげる効果がある。心理学誌『Journal of Experimental Psychology』に発表された研究では、死別とその悲しみに対処するための儀式に参加することは、本人がその効果を信じるかどうかにかかわらず、自己のコントロールを取り戻したという感覚が得られることにより、総じて悲しみの軽減につながっていたことが明らかになっている。
このように、追悼を意図した儀式に参加することは、自らの喪失感を認識し、自己のコントロールをいくらかでも取り戻すための1つの方法となる。
結論
死別の悲しみは、生きていく上で避けられない経験だが、永遠に悲しみにとらわれる必要はない。癒しのプロセスに積極的に関わり、悲嘆を昇華する手立てを実践することで、喪失に苦しむなかでも、慰めや成長、変容を見いだすことができる。悲しみを癒すには時間が必要であることを忘れないことが大切だ。また、友人や家族、メンタルヘルス専門家にサポートを求めることは、回復と自己発見の旅における貴重な助けとなり得ることも忘れないようにしよう。
(forbes.com 原文)