2023.06.24 14:00

運転時に「怒りを爆発」させやすいタイプとは? 感情をコントロールする方法

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運転時の攻撃的行動を防ぐための、感情の自己コントロールの役割に光を当てる新たな研究論文が、学術誌「Transportation Research」に掲載された。この研究は、個々のドライバーが怒りをコントロールし、路上での逆上(他のドライバーの運転などにカッとなり、暴言を吐いたり暴力を振るったりする行為)を抑えるための方法について考察したものだ。

研究論文の主著者で、オーストラリアのサンシャイン・コースト大学に所属するスティーブン・ラブ博士はこう述べる。「攻撃的な運転には、スピードの出し過ぎ、前の車の背後にぴったりくっつく、交通ルール違反、不適切な車線変更など、幅広い行動が含まれる。こうした行動は、ドライバー同士の口論に発展することも多く、結果的に言葉あるいは身体的な暴力の行使、さらには、車両を用いて怒りを表現する行為につながることさえある」

運転時の攻撃的行動をなかなか改善できないというドライバーに対し、ラブ博士は、以下に挙げる実践的な2つのステップに従うようアドバイスする。

第1のステップ
「問題がある」ことを認めよう。「問題があることを認め、自分の行動の責任を取ること」は、自分を変えるための第1ステップだ。怒りの感情を呼び起こすきっかけが外部の要因だとしても、それに対する反応に関しては、自分が責任を負わなければならないことを理解する必要がある。

第2のステップ
定期的に自制心を養う方法を実践しよう。これは、毎日のルーティンに組み込むこともできる。また、マインドフルネスの考え方に基づいた、具体的なメソッドもあるので、これを使って手っ取り早くスキルを磨き、ポジティブな心構えを養うこともできるはずだ。

「運転時の攻撃的行動のやっかいなところは、瞬時に行動に出てしまうケースが見受けられる点や、感情的な衝動に対する無意識の反応である点だ」とラブ博士は指摘する。「これはつまり、法的な規制や自制という観点からの介入が難しい行動だということを意味している」

研究チームは、運転時の攻撃的行動という文脈から、自制心の働きを理解したいと考え、半構造化面接(あらかじめ目的や設問をある程度決めておくが、状況によって自由に質問を変えていく面接手法)の手法を用いて、怒りのきっかけ、怒りを増進させる要素、怒りの抑制のプロセス、運転時に怒りを覚えた体験への個人的評価を検証した。

この研究での最も大きな発見の1つは「メタ認知(自分の認知活動を客観的にとらえること)」の意識が高い者は、運転時に感じる怒りのコントロールや抑制の能力が高いということだった。この意識がある者は、怒りを覚えるような運転時の体験の評価に関してもより受容力が高く、同じような状況が再び起きた場合にも、怒りを引き起こすきっかけに対する反応が改善する傾向にあった。
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翻訳=長谷 睦/ガリレオ

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