経営・戦略

2023.08.10 16:30

コスメ業界を席巻する米アマゾンの「集中プロモーション戦略」

一方、アルタ・ビューティーとセフォラを見てみると、プロモーションを行ったSKUの割合はアマゾンと同じか少なかった。Euromonitor Internationalによると、2023年上半期におけるアルタ・ビューティーのプロモーション実施率は11%であったのに対し、セフォラはわずか6%であった。これはセフォラが自社製品をアルタ・ビューティーなどよりもプレミアムなものと位置づけていることにも起因しているだろう。

アマゾンとウォルマートはともに、毎日低価格を提供することを自らに課しているが、それぞれのプロモーション戦略はかなり異なっている。ユーロモニターによる日次のプロモーション調査によると、2023年上半期、ウォルマートはオンラインで販売された美容・パーソナルケアSKUの18%をプロモーションしたのに対し、アマゾンは11%だった。

また、プロモーションの内容も異なる。アマゾンが最も大きく宣伝したのはベビー・子ども向け商品で、次いでデオドラントとフレグランス用品だった。一方、ウォルマートで最も頻繁に販促されたカテゴリーはフレグランス、カラーコスメ、ヘアケアの順であった。ユーロモニターの分析によると、これらのカテゴリーは、各小売企業にとって、オンライン上で最も業績が低迷しているカテゴリーであるという共通点がある。

どのようにアマゾンと戦うか

アマゾンは、美容とパーソナルケアのeコマースで圧倒的なリードを握っているが、他の小売業者にもチャンスはある。

アマゾンは市場の半分を支配しているが、高価格帯ブランドの多くがアマゾンとの連携を好まないことを考えると、潜在的な成長カテゴリーの1つはフレグランスである。Euromonitor Internationalによると、アマゾンが最も苦手とするカテゴリーは、デオドラント、入浴関連の商品、カラーコスメなどである。

こうしたカテゴリー以外にも勝機はある。小売企業は自社の強みを活かしてアマゾンに対抗すべきである。アルタ・ビューティーやセフォラのような美容専門店は、自社の顧客を深く理解していることだろう。これらの企業は、アマゾンにはできない方法で、顧客のロイヤリティを高めることが重要だ。また、Targetやウォルマートのような総合小売企業は、その強力なオムニチャネルインフラを活用し、美容カテゴリーの強化を戦略の中核に据えることも考えうる一手だ。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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