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2023.07.21 12:00

アマゾンが「手のひら決済」導入を加速、全米500店舗に拡大

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アマゾンは今から約3年前に生体認証決済のAmazon One(アマゾン・ワン)を立ち上げたが、同社は7月21日、この技術を傘下の食品スーパー「ホールフーズ・マーケット」の500店舗以上で利用可能にする計画を発表した。

Amazon Oneは、手のひらのデータを登録しクレジットカード情報やアカウント情報をひも付けるもので、顧客は手のひらを店舗のリーダーにかざすだけで決済が行える。

アマゾンは、このテクノロジーをすでにカリフォルニア州などの一部の店舗でテストしており、20州の200以上の店舗で利用可能にしているが、年内に全米500以上のすべてのホールフーズの店舗に導入する予定という。

この決済を利用する顧客は、事前にAmazon Oneに登録を行い、クレジットカードまたはデビットカードの情報をオンラインで入力する必要がある。また、ホールフーズの店舗でも登録が可能という。

Amazon Oneは、手のひらの隆起や静脈パターンを読み取ることによって、パーム・シグニチャー(手のひら署名)と呼ばれる認証データを作成する。アマゾンは、このデータが強固なセキュリテイで保護され、AWSクラウド上のセキュリテイプログラムに保存されると述べている。ただし、ニュースサイトVergeは2020年10月の記事で、データをクラウドに保管することが、ハッカーや政府などの第三者がデータにアクセスする懸念を引き起こすと指摘していた。

Amazon Oneを店舗に導入した全国チェーンは、ホールフーズだけではない。ベーカリーカフェ大手のパネラブレッドも数店舗でこの決済を導入した。また、コロラド・ロッキーズのホームスタジアムであるデンバーのクアーズ・フィールドでは、アルコール販売の際の年齢確認にこのシステムが使用されている。

2017年にホールフーズを買収したアマゾンは、2020年9月にシアトルの小売店「Amazon Go」に手のひら決済を導入し、数カ月をかけて他の実店舗に拡大した。AWSのバイスプレジデントのディリップ・クマールは当時、この製品が「小売店以外にも幅広く応用できる」と述べ、スタジアムやオフィスビルなどに拡大する意向を表明していた。

アップルは、2014年に決済システムのApple Payを立ち上げ、2017年にはiPhoneなどのデバイスをロック解除するためのシステム、Face IDを発表した。今回のアマゾンの発表は、認証テクノロジー分野の最新の動きとなった。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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