電気自動車(EV)について多くの誤解がある。多くの消費者がEVを単なるエンジン車の電気自動車版、つまり自動車メーカーがガソリンエンジンやディーゼルエンジンを電気モーターに置き換えただけだと考えているからだ。実際のところ、EVはエンジン車に比べてはるかに複雑になる部分もあるが、機械的には非常にシンプル(可動部品が少ない)であり、購入と所有の体験は大きく異なる。
1. EVはエンジン車より高価
2022年のコンシューマー・レポートによると、EVの価格はエンジン車よりも10〜40%高い。これは平均的なガソリン車より8000〜2万5000ドル(114〜350万円)高いことを意味する。バッテリーパックに使用されるリチウム、コバルト、ニッケルといった高価な鉱物のせいで、EVの製造コストが大幅に割高だからだ。さらに悪いことに、航続距離を長くしようとすると、より大きなバッテリーが必要になる。そのため、航続距離が約560キロメートルのエンジン車の代替としてEVを購入するには、最大かつ最も高価なバッテリーパックが必要となる。
2. EVの購入コストを下げるために、リベートやインセンティブが提供されている
EVの購入をより魅力的なものにするために、各政府機関やメーカーは、購入者に提供されるインセンティブ、リベート、クレジットを提供している。2008年、米国連邦政府はEVまたはプラグインハイブリッド車(PHEV)の購入に対して、最高7500ドル(107万円)の連邦税額控除を開始した。2022年に成立したインフレ削減法(Inflation Reduction Act)により、EVを米国内で製造する自動車メーカーには大きな恩恵が与えられることになり、結果として消費者に対するリベートやインセンティブプログラムを見直す動きもある。現在のところ、新車または中古のEVを購入する人には、連邦政府、州政府、メーカー、さらには地元の公共事業によるリベートやインセンティブがある。
3. EVは運転するにも所有するにも便利
EVを所有し、家庭にレベル2以上の充電設備があれば、1日あたり数時間を運転するドライブ旅行以外で公共の充電ステーションに行く必要はほとんどなくなる。しっかりとした家庭用充電設備があれば、EVは毎朝しっかりと充電された状態を保つことができ、ガソリンスタンドに行く必要もない。また、エンジン車とは違い、EVはいわゆる「暖機運転(潤滑油や冷却水を温まる間、低付加で運転すること)」の必要がないため、何度も始動 / 停止を繰り返しながら頻繁に運転することができ、それによる機械的な損傷を心配する必要がない。さらに、冬の寒い日でもヒーターがすぐに温まるという利点もある。
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