2023.07.30

ヤリス派のMr.ビーンはトヨタの水素車でご機嫌

あのミスター・ビーンが、トレードマークのMINIを乗り捨て、トヨタ車に乗り換えた!? ライム色のMINIから、別の意味の「グリーン」カーというか、つまり水素を燃料とするトヨタGRヤリスのホットハッチに乗り換えた。世界一のモータースポーツ祭として知られる英国「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」で、英国の俳優、ミスター・ビーンことローワン・アトキンソンが、ゼロ・エミッション技術への支持を示すという驚きのカメオ出演を果たした。

水素というと、多くの人は、水素を燃料とする燃料電池車のトヨタ・ミライを思い浮かべるだろう。でも、アトキンソンがハンドルを握ったのは、トヨタが最近、富士24時間耐久レースに参戦した水素を燃料とするトヨタGRカローラと同様のパワートレーンだった。つまり、簡単にいうと、GRヤリスは水素燃料燃焼自動車。対して、ミライは水素燃料電池自動車だ。



走り終わったアトキンソンはグッドウッドのテレビ・インタビューにこうコメントした。「今、ヒルクライムを走ってきたけど、このヤリスは楽しいよ。横に描かれたHマークを見たでしょう。奇妙なことに、これは水素を燃料とする標準的な1.6リッター・ターボ・エンジンを搭載しているんです。ガソリンの代わりに水素を直噴するタイプなので、燃料電池のミライとは全然違う。」



トヨタは、内燃機関を維持するため、モータースポーツが進むべきひとつの方向性だと考えているらしい。これはフォーミュラ1が2026年からやろうとしていることと同じだ。F1マシンは合成燃料を使った内燃機関を使用するわけだ。

「エンジンを使い続けることで、モータースポーツのエモーショナルな側面も維持できるということだね。僕は実は、GRヤリスを1台所有しているよ。水素じゃない仕様だけど、これは素晴らしいホットハッチ!」とアトキンソンはいう。

彼が言うように、確かにトヨタは全てのカーメーカーの中で、最も水素を支持しており、一番力を入れているメーカーだ。でも、彼が指摘するように、水素を使うクルマに、そんなに未来性はあるのか? 今の世界の動きを見ていると、ほとんどのカーメーカーは水素ではなく、電気自動車(EV)や合成燃料を使うクルマの開発をどんどん進めているようだが。
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