欧州

2023.08.03 09:30

民間船3隻が黒海を問題なく通行 ロシアの妨害宣言は虚勢か

2021年6月、ウクライナ・オデーサの穀物輸出港に停泊する貨物船(VolodymyrT / Shutterstock.com)


穀物合意のもとではこれまで、ウクライナ産穀物3200万トンが輸出された。ロシアが一方的に離脱した直後、黒海艦隊はボスポラス海峡とウクライナの戦略港であるオデーサを結ぶ主要航路が射程に入る黒海南部にコルベット艦「セルゲイ・コトフ」を配備した。
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セルゲイ・コトフも他のロシア軍艦も、3隻の民間船がオデーサ港ではなくイズマイール港に向かうのを妨害しなかった。ウクライナは戦時中のオデーサ代替港としてドナウ川沿いの複数の港を再開発してきた。

ロシア軍は定期的にミサイルでオデーサを攻撃しているが、ドナウ川の港への攻撃はそれほど頻繁ではない。その理由は、これらの港がNATO加盟国の領土に近いことにある可能性が高い。イズマイールからルーマニア領まではわずか数百メートルだ。7月24日にロシア軍の無人機がドナウ川にあるウクライナのレニ港の穀物倉庫を攻撃した際、あわやルーマニア領も被害を受けるところだった。

7月30に民間船が黒海封鎖をくぐり抜けられたことは、ウクライナの港からの貨物運搬の再開は概ね安全だというメッセージを世界の輸出入業者に送ることになるかもしれない。戦争研究所は「ロシア軍は、黒海を通ってウクライナに向かう中立の船舶について、強制的に停船させて捜索することを表向きには表明しているが、実際にはそのつもりはないか、それが不可能なようだ」と指摘した。
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一方、ドナウ川河口からさらに約160キロ北に位置するオデーサ港まで航行する危険を冒す業者がいるかはわからない。ドナウ川の港には、オデーサ港の代わりとなる穀物輸出港として利用できるほどの処理能力はない。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子・編集=遠藤宗生

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