欧州

2023.07.24

ロシア軍の旧式歩兵戦闘車、わずか数日で18両が撃破される

歩兵戦闘車(IFV)「BMP-1」(shutterstock.com)

ロシア軍は最近、ウクライナ南部などでの激戦で、1日あるいは数日の間に歩兵戦闘車(IFV)「BMP-1」を少なくとも18両失った。

BMP-1は、1960年代に開発された旧式IFV。独立系オープンソースインテリジェンス(OSINT)サイト「Oryx(オリックス)」のアナリストは19日、これまでに破壊されたBMP-1の集計結果を発表した。

18両の損失は大きい。ウクライナ側に最近生じた最大級の損失は、6月8日に南部ザポリージャ州で地雷原突破を試みた際に起きたが、この時に遺棄を余儀なくされたIFV「M2」は17両のみだった。ウクライナは後に、地雷原迂回と地雷の除去に成功し、M2の多くを含む損傷車両を回収できるようになった。

一方のロシア側は、BMP-1を回収できる状況にない。砲撃によって押しつぶされ、爆発物を搭載したドローン(無人機)によって内側から爆破され、地雷によって突き上げられたBMP-1は、完全に破壊されている。


これほど多くのBMP-1が1日かそこらで破壊されたことは、2つの重要な点を浮き彫りにしている。1つ目は、ロシア軍は約1000kmにわたるウクライナの前線の大半で守勢に回っているのにもかかわらず、ウクライナ側と同程度の車両を失っているということ。

そして2つ目は、ロシアの機械化部隊が、消耗の悪循環に陥る可能性だ。ロシア軍は、現代的な軍用車両を多数失うことで、防御力が低く破壊されやすい旧式車両を大量投入する必要に迫られるかもしれない。

ロシア軍は、2022年2月にウクライナ侵攻を開始して以降、BMP-1を約1日に1両のペースで失ってきた。だがこの損失は、常に同じペースで起きてきたわけでない。

ロシア軍は当初、BMP-3を400両、BMP-2を2800両、BMP-1を600両投入した。より新型である2と3は、1よりも防御性能が高い。だが、最初の1年間で2と3を計1000両失ったロシアは、旧式IFVの配備を増やすことを強いられている。

ロシアが新規生産できるIFVは月に数十両程度だが、BMP-1とBMP-2の備蓄はそれぞれ7200両、1400両と大量にある。昨年末からは、50年前のBMP-1数百両を前線に送り込んでいる。

BMP-1の損失数が急増した背景には、そもそも保有数が多いということがあるが、旧式IFVであるBMP-1が地雷やドローン、大砲による攻撃に弱いことも一因となっている。
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翻訳・編集=遠藤宗生

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