映像では、ロシアが占領するウクライナ東部ルハンスク州クレミンナの西の方で、木々が立ち並んでいる近くの未舗装の小道を走る数両のCV90の一団が移動しながら砲を発射している。同地域ではロシア軍がウクライナ軍の反攻に対する小規模な反攻を開始。ロシア軍はバフムート周辺やウクライナ南部のドネツク、ザポリージャ、ヘルソン各州でのウクライナ軍の大規模な反攻を阻止しようとしている。
どうやら映像はウクライナ軍による局地的な反攻のようだ。そして、ロシア軍のロケット推進式擲弾(RPG)の罠にはまる。ロシア兵がRPGをわずか約30メートル離れたところから先頭のCV90に向けて発射。CV90の砲塔の側面を直撃し、火の手が上がる。後続のCV90が停止すると、攻撃を受けた先頭車両は煙を出しながら脇道にそれる。2発目のRPGが2両目のCV90をかすめる。
損傷したCV90(供与された全CV90の2パーセントにあたる)の乗員と乗っていた兵士らは脱出し、無事だった残りのCV90は移動したようだ。29日に投稿された写真では、ロシア軍の兵士らが動けなくなったCV90とポーズをとっている。
A Swedish supplied CV9040 IFV hit in the Kreminna direction and looks immobilized after. It is unclear what hit it but the projectile targeting the IFV looks to be shattering 2-3 meters before it. Anyone?
— NOELREPORTS 🇪🇺 🇺🇦 (@NOELreports) July 27, 2023
The footage is cut so it is difficult to tell what happened after. pic.twitter.com/h1y5l3LO5C
ウクライナ軍の指揮官にとって第21旅団をクレミンナ方面に送ることは、たとえその方面が今後反攻を展開する場所ではなかったとしても、それなりに理に適ったことだった。第90親衛戦車師団などクレミンナ周辺のロシア軍は数百両の戦車とIFVで攻撃態勢を整えており、一方でウクライナにいる残りのロシア軍の大半は守勢に転じていた。
第21機械化師団はクレミンナ周辺の戦線を維持しようとし、仲間の旅団はバフムート周辺と南部での攻撃に回った。
激戦だった。米シンクタンクの戦争研究所によると、ロシア軍は28日にクレミンナの西の「いくつかの地域で前進した」という。ウクライナ軍のスウェーデン旅団が車両を失っているのは何ら驚くことではない。
だが一部で全体を判断してはならない。ウクライナ軍の旅団は南部とバフムート周辺でいくつかの軸に沿って前進しているが、ロシア軍の旅団はクレミンナの軸のみに沿って前進している。全体的な勢いは依然としてウクライナ軍側にある。そして、第21旅団は供与されたCV90の98%をなお保有している。
(forbes.com 原文)