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2023.07.20 16:30

アマゾンでアパレルを購入する理由。米国でよく購入されているのは?

田中友梨

・今年は、6年間の調査で初めて、Amazonで買い物をする理由の第1位に「ブランドの選択肢の広さ」が挙げられ、2022年の37.5%から2023年には56.2%に増加しました(図7参照)。このことから、Amazonのアパレル購入者は、Amazonのプライベートブランド商品に加えて、より多くのブランドを見つけたいと考えていることが伺えます。

・当社の調査データでは、プライム会員サービスを含む無料のスピード配送が、Amazonのアパレル販売を後押しする最大の要因の1つであることが常に示されていますが、今年は、Amazonのアパレル購入者のプライム会員の割合の減少に伴い、無料のスピード配送を理由にAmazonを利用する人の割合が減少していることがわかりました。

一方、「(プライム会員でなくても)安くて便利な配送を理由にAmazonで買い物をする」と回答した人の割合は、2022年の36.3%から2023年には49.3%に増加しています。

・今年も「サイトの閲覧や検索が使用しやすい」は、Amazonで買い物をする理由の第4位を維持しました。しかし、2018年の66.8%から2023年には46.1%に減少し、調査を実施するたびにその割合は減少しています。この変化は主に若い消費者が要因として考えられ、彼らはウェブサイトの使いやすさに基本的なレベルを期待し、注文のし易さにはもはや強い感心がないことが伺えます。

・Amazonを利用する理由として「最安値だと思う」は41.8%と、「商品とサイズの豊富さ」(34.5%)を上回っており、低価格も大きな動機づけの一つとなっています。また、37.1%の回答者が「コストパフォーマンスが良いと思う」と回答しており、昨年の調査結果とほぼ同じ結果となっています。

これらのデータから、Amazonのアパレル購入者は、ブランドロイヤリティよりも、スピード、コストパフォーマンス、幅広いブランドの選択肢を優先していることが分かります。

また、このことはAmazonのプライベートブランドの人気が高まっていることにも表れており、Amazonを利用する理由として「Amazonのプライベートブランド商品が好きだから」を挙げた人の割合は、2022年の8.5%から2023年には19.9%に上昇しており、Amazonはプライベートブランド商品への誘導に成功しているといえるでしょう。

一方、インフルエンサーが専用ページで商品をキュレーションしておすすめ商品を提案できるAmazonのストアフロント機能は、現時点での存在感が非常に限られており、調査対象のアパレル購入者のわずか2.1%がそのことを、Amazonを選ぶ理由として挙げました。

Amazonでは最近、短編動画と画像フィードの「Inspire」が追加されましたが、これは、パーソナライズされたソーシャルメディア型の商品発見機能で、インフルエンサーや消費者がコミッションを得ることができるコンテンツを発信することができます。

Inspireは2022年12月に開始され、2023年5月には米国の全ユーザーに展開されました。

図7. Amazonのアパレル購入者が考えるAmazonで買い物をする理由
対象:過去12カ月間にAmazonでアパレルを購入したことのある18歳以上の米国消費者(2018年705人、2019年985人、2020年1308人、2021年1158人、2022年1407人、2023年1228人)
出典:Coresight Research
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文=RxR Innovation Initiative

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