最も購入されるアパレルブランドの座をNIKEが奪還する一方で、Amazonのプライベートブランドは依然として勢いを増している
今年、NIKEは2年ぶりにAmazonのプライベートブランドを抜き、Amazonで最も人気のあるアパレルブランドとなりました(図9参照)。これは、巨大スポーツウェアメーカーであるNIKEが、スポーツやアクティブなライフスタイル製品の人気の高まりを利用し、革新的な製品を求めるオンライン消費者の需要にうまく対応していることを反映しています。また、同時に、NIKEはサードパーティ販売者への依存度を下げることにも成功しています。
しかし、NIKEに首位の座を奪われたものの、Amazonのプライベートブランド・アパレルは強い勢いを見せており、調査前の12カ月間にAmazonのプライベートブランド・アパレルを購入したと回答した米国の買い物客は24.5%となり、前年比2.5ポイント増となりました。
Amazonは、オンラインストアとサプライチェーンのコストをコントロールすることで、自社のアパレル商品をより見やすく、手頃な価格で、他のブランドとの競争に打ち勝つためのより良いポジションを確立しています。
Coresight Researchでは、2022年の同社のプライベートブランドは、衣料品、フットウェア、アクセサリーの売上の約19%を占めたと推計しています。
図9. Amazonのアパレル購入者が、過去12カ月間にAmazonで購入したアパレルブランドおよびプライベートブランド(回答者の割合)
対象:過去12カ月間にAmazonでアパレルを購入したことのある18歳以上の米国消費者(2018年705人、2019年985人、2020年1308人、2021年1158人、2022年1407人、2023年1228人)
出典:Coresight Research
Amazonで最も購入されているカテゴリーは依然としてアパレルである
Coresight Researchの複数年にわたる調査データによると、買い物客数から見て、Amazonで最も購入されているカテゴリーは「衣料品とフットウェア」であることがわかりました(図10参照)。2位は「健康食品」、3位は「美容」と続いています。一方、「書籍」は2022年の減速に続き、さらに後退が進んでいます。全体では、過去12カ月間にAmazonで何かしらの商品を購入したと回答した人は90%弱で、2022年の94%強から減少しています。
なお、一つ注意が必要なのは、図10はアパレル以外のカテゴリーにおける全回答者の割合で、これまで紹介した多くのグラフはアパレルカテゴリーまたはAmazonアパレル購入者に特化したものです。
図10. 過去12カ月間にAmazonで各カテゴリーの製品を購入したかどうか(回答者の割合)
対象:過去12カ月間にAmazonでアパレルを購入したことのある18歳以上の米国消費者(2020年1308名、2021年1158名、2022年1407名、2023年1228名)
出典:Coresight Research