宇宙

2023.08.27 18:00

宇宙の「果て」はどこにある? 「中心」は?

この画像は北天の銀河の上部近辺にあたる宇宙の狭い領域を写したもので、画素ひとつひとつが地図化された銀河を表している。地球から観測できる宇宙は全方向、どこを見ても同じであるが、遠くにある銀河は、地球に近い銀河よりも小さくて若く、まださほど進化していないように見える。SDSS III, DATA RELEASE 8

望遠鏡などの道具を用いてできるかぎり遠くまで見ても、宇宙は360度、ほぼ同じように見える。銀河の数や、存在する銀河の種類、それぞれの銀河に含まれる恒星の数、通常の物質および暗黒物質の密度、さらに肉眼でとらえられる放射線の温度は、われわれが眺める方向とは関係なく、すべて均一である。地球から観測できる最大範囲の宇宙のどの領域を比べても、その領域間の差は平均わずか0.003パーセントか約3万分の1である。

実際、われわれがとらえられる最大の差は、見る方角ではなく、地球からの距離によって生じる。遠くを見れば見るほど、宇宙の過去へとさかのぼれて、遠くの天体から放たれる光の量が多ければ多いほど、光の波長は長くなる。そう聞くと、光の量が多ければ多いほど光は偏移し、その光源である天体はさらに速度をあげて地球から離れていくと思う人が多いだろう。それゆえ、もしわれわれがあらゆる方向を探り、「宇宙のどの地点からなら、全方向が均等に後退するのを見られるだろうか」と考えれば、宇宙の中心を突きとめることができるはずだ。

だが、それは正確とは言いがたい。実際にはどのようなことが起きているのか。宇宙の中心に関する最高の科学知識を利用して、今わかっていることを見ていこう。
光速に近い速度で移動している物体が光を放っている場合、その光は観測者の位置によって異なって見える。光源より左にいれば、光源は離れていくように見え、そのため光は赤方偏移する。一方、光源より右にいると青方偏移する。つまり、光源が地球に近づけば近づくほど高周波になる。WIKIMEDIA COMMONS USER TXALIEN

光速に近い速度で移動している物体が光を放っている場合、その光は観測者の位置によって異なって見える。光源より左にいれば、光源は離れていくように見え、そのため光は赤方偏移する。一方、光源より右にいると青方偏移する。つまり、光源が地球に近づけば近づくほど高周波になる。WIKIMEDIA COMMONS USER TXALIEN

波長の変化

たいていの人が感覚的に理解していることだが、物体が近づくと、それが発する波動は圧縮されて、頂点と底点との間隔が狭くなるように見える。いっぽう、物体が離れていくと反対の現象が起きる。波動が伸張し、頂点と底点との間隔が静止しているときよりも広がる。われわれがこういった現象を身近で実感するのは音だ。消防車やパトカー、アイスクリーム売りの車が近づいてきているのか離れていっているのかは、音の高低から判断できる。これはどんな波動でも言えることだ。光も例外ではない。われわれはこの動きによる波動の変化を、発見者の名前にちなんでドップラー効果と呼んでいる。

ただし光に関して言うと、波長の変化は音の高低ではなく、エネルギーの高低に比例している。光の場合はこうなる。

・長波長になればなるほど、低周波で低エネルギーになり、色は赤味を増す。

・短波長になればなるほど、高周波で高エネルギーになり、色は青みを増す。
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翻訳・編集=高橋知子/S.K.Y.パブリッシング・石井節子

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