伊藤憲男(以下、敬省略):直毛(ストレート)、くせ毛(波状)、縮毛(ちぢれ毛)の3種類に分かれます。日本人の毛は、92%が直毛といわれていますが、(出典:本田光芳(2015)、新ヘア・サイエンス 第2版 公益社団法人 日本毛髪科学協会出版)、くせ毛や縮毛の程度には、個人差があります。太さは、0.07〜0.08mmと欧米人に比べて太いという特徴があります。毛が黒いので、一見、本数が多く見えますが、欧米人の12万本に比べて、日本人は10万本程度と、毛量自体は、少なめの傾向にあります。
──くせ毛などの髪の悩みで、どのような相談が多いでしょうか?
伊藤:一般的には「くせ毛の状態を、取り敢えず見て欲しい」というシンプルなご相談が多いです。日本人の92%が直毛というデータがあるものの、梅雨時期になると、お悩み内容がより具体的で切実なものへと変わってきます。「細い」「ハリがない」「切れてしまう」「うねりを何とかしたい」などなど。その先には、「ストレートのウィッグが欲しい」「髪が綺麗に見えるウィッグを探している」という、くせ毛を直ぐに解決したいというご要望も寄せられております。
毛穴の詰まりこそが諸悪の根源!
ここ近年のサウナブームで、老若男女が「サ活」に励んでいるが、これは髪にとってメリットとデメリットの両方を抱えている。いい効果としては、サウナによって血行促進されて髪に栄養が行き渡りやすくなったり、頭皮の毛穴が開いて汚れが浮き出しやすくなる事。その一方、高温のドライヤーを当て続けているような熱いサウナ内では、髪と頭皮が乾燥して水分不足に陥ってしまうデメリットも生じてしまう。このように、ヘアケアには、一長一短があるものだが、それでは「根本的にくせ毛を何とかしたい!」と悩んでいる人に対して、知っているようで知らなかった、正しいケアケアとは?──巷では、くせ毛に関する情報が溢れていて、ケアアイテムも数多く存在していますが、最新の正しいヘアケアを教えていただけますか?
伊藤:くせ毛の原因には、先天的なものと後天的なものがありますが、後天的なものとしては、「ヘアケアを怠った事による、毛穴や毛根の歪み」が考えられます。最もいけないのは、頭皮の汚れが毛穴に詰まってしまい、本来持っていた毛穴の形が歪んでしまう事です。とはいえ、洗浄力の高いシャンプーで洗えばいいかといえば、逆効果。過度に洗い過ぎてしまうと頭皮に必要な脂分まで除去してしまい、その結果、脂分を補おうとして皮脂の分泌量が増えて毛穴を詰まらせてしまう事態になってしまうからです。
この毛穴に詰まった汚れは、細菌として繁殖してしまい、その結果、頭皮が硬く、頭皮の血行も悪くなり、必要な栄養が行き届かなくなり、様々な髪の障害へと繋がっていくのです。規則正しい生活を送る事が重要なのは言うまでもありませんが、自宅ケアなら、最新グッズを活用してお手入れするのがいいかも知れませんね。