北米

2023.07.06 08:30

「意識が高い」は中傷? 広まる「woke」のもう1つの意味

2010年代初めから広がり始めた「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大切だ)」運動の盛り上がりとともに「ウォーク」はより頻繁に使われるようになった。その後、2014年にミズーリ州ファーガソンで黒人青年マイケル・ブラウンが警察官に射殺される事件が起きると、さらに多くの場面で聞かれるようになった。

だが「stay woke(ステイ・ウォーク)」はおよそ100年前から、黒人たちへの呼び掛けの言葉として、さまざまなかたちで使われてきたものだ。1923年にはジャマイカの活動家マーカス・ガーベイが、黒人の解放を訴えるなかで「Wake up Ethiopia! Wake up Africa!(目覚めよ、エチオピア! 目覚めよ、アフリカ!)」と呼び掛けた。

また、いくつかの曲の歌詞にも登場している。1938年にレッドベリーがリリースした『Scottsboro Boys』のアウトロでは「best stay woke, keep their eyes open(起きていた方がいい、目を開けておけ)」のフレーズが使われている。この曲は、1931年にアラバマ州スコッツボロで白人女性2人をレイプした疑いで起訴された10代の黒人男性9人の事件をテーマにしたものだ。

そのほか2007年にリリースされたエリカ・バドゥの『Master Teacher』では「I stay woke」というフレーズがリフレインされ、2016年発表のチャイルディッシュ・ガンビーノの『Redbone』では、サビに「stay woke」が含まれている。

forbes.com 原文

編集=木内涼子

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