チュリパンはロシア国内にまだたくさんある。約60両のチュリパンが配備されており、理論的には復活させられる数百両が保管されている。
大きな疑問は、攻撃を受ける度に乗員9人の命が失われるかもしれない、この非常に脆弱なチュリパンをさらに配備する価値があるのかどうかということだ。何もしないよりはいいという議論はここでは当てはまらないかもしれない。
ロシア軍の砲撃力が落ちてきていることは死傷者数にも表れている。リチャード・ヴェレカーはツイッターで、Warpsottingがまとめたロシア軍の損失に関するオープンソースの情報を分析し、月ごとの変化を見た。ロシア軍の火砲の主力であり、これまで最も多く失われた152mm砲の損失がここ2カ月間、口径の小さい122mm砲の損失を下回っている。これは、300門以上の152mm自走砲と170門の152mm牽引砲を失ったロシア軍の火砲が残り少なくなってきたことを示しているのかもしれない(あるいは、さらに悪いことに152mmの砲弾が不足しているのかもしれない)。
ウクライナでの戦争の初期においては、ロシア軍が火砲では圧倒的に優位で、砲弾数では7対1で優位といわれることもあった。この優位性はまだ失われていないとしても、急速に失われつつある。そしてウクライナ軍は現在、ドイツ製の155mm自走榴弾砲PzH2000やカエサル155mm自走榴弾砲、そして米国が供与したHIMARS多連装ロケット砲システムを使用している。
戦況について信頼できる情報を得るのは難しい。だが、死傷者に関する入手可能な情報に基づけば、ロシア軍の重迫撃砲の損失は火砲面で抱える深刻な問題の最初の兆候かもしれない。
(forbes.com 原文)