最近、国際応用システム分析研究所（大量のデータセットを分析することを専門とする独立した研究機関）の研究者たちが発表した新しい研究では、彼らはボット（インターネット上で自動化されたタスクを実行するソフトウェアプログラム）がどのようにソーシャルメディアを通じて地震に関する陰謀論を広めるのを助けているのるかを調査し、人間の行動と人工知能の交わる地点についての洞察を深めた。ボットはキーワードの検索、コンテンツのインデックス化、ニュースの共有など、必要だが退屈になりかねない多くの作業を代行してくれるので便利だが、他のオンラインツールと同様、誤った情報を広めるなど、より悪質な目的に使われることもある。
研究の共著者であるドミトリー・エロヒンは「2020年には、ボットはインターネットトラフィックの40.8％を占め、そのほぼ3分の2は悪意のあるボットでした」と強調する。「この論文は、ソーシャルメディア上で地震に関する陰謀論を広めるのにボットが重要な役割を果たしていることを示しています」
プレートテクトニクス理論のおかげで、地震はプレートの衝突と断層に沿った岩石の突然の破壊によって引き起こされることがわかっている。しかし、専門家でさえ、地震がいつ起こるか、どの程度の被害が出るかを予測することはできない。このような「予想困難な事柄」に対して、陰謀論が簡単な答えを与えてくれる。
2022年11月に、インドネシアの西ジャワ州チアンジュール近郊でマグニチュード5.6の地震が発生し、300人以上が死亡した。
地震にまつわる陰謀論にはさまざまなものがあるが、論文の著者らはいくつかの繰り返し登場するテーマを特定した。
・地震は「超兵器」や違法な核実験のような軍事活動と直接結びついている
・地震は電磁波の実験や粒子加速器の実験などの科学活動の予想外の結果だ
・地震は水圧破砕、石油採掘、採鉱活動の予期せぬ結果だ
・地震は天罰だ（現存する最古の陰謀説の1つかもしれない）
・地震は秘密結社や権力者集団が目的を達成するために利用している
・そしてもちろん、地震は「エイリアンの仕業」だ！
